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『関ジャム』レビュー

Official髭男dismやVaundyが作る、アニメの世界観をリスペクトするアニソンの趨勢

Official髭男dismやVaundyが作る、アニメの世界観をリスペクトするアニソンの趨勢の画像1
『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)公式Twitter(@kanjam_tvasahi)より

 10月16日放送『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)が行ったのは、同番組では3年ぶりとなる「アニソン特集」。ゲストは、アニソン評論家・冨田明宏、音楽プロデューサー・上松範康、声優・愛美の3人だ。

 昨今は、「アニソン評論家」という肩書があるのが驚きである。2017年に『マツコの知らない世界』(TBS系)がアニソンを特集した際も冨田は出演しており、やはり彼がアニメ音楽シーンの第一人者なのだろう。

 アニソンといえば、歌手として水木一郎を思い浮かべたり、『北斗の拳』(フジテレビ系)のクリスタルキングやTOM☆CATに思い入れが深かったりするのが筆者の世代だが、今回はそういうのではない。最新のアニソン事情を解説してくれるらしい。

昔は“落ち目”のイメージだったアニソンが大注目市場に!

 まず、番組は2021年のSpotifyでの“海外で最も再生された日本のアーティストの楽曲ランキング”を発表した。

 

1位:廻廻奇譚/Eve(TVアニメ『呪術廻戦』第1期 第1クール)
2位:紅蓮華/LiSA(TVアニメ『鬼滅の刃』竈門炭治郎 立志編)
3位:夜に駆ける/YOASOBI
4位:unravel/TK from 凛として時雨(TVアニメ『東京喰種トーキョーグール』)
5位:心臓を捧げよ!/Linked Horizon(TVアニメ『進撃の巨人』Season 2)
6位:TOKYO DRIFT/Teriyaki Boyz
7位:Black Catcher/ビッケブランカ(TVアニメ『ブラッククローバー』第10クール)
8位:シルエット/KANA-BOON(TVアニメ『NARUTO-ナルト-疾風伝』)
9位:ブルーバード/いきものがかり(TVアニメ『NARUTO-ナルト-疾風伝』)
10位:怪物/YOASOBI(TVアニメ『BEASTARS』第2期)」

 

 トップ10のうち、8曲がアニメ主題歌だったのだ。アニソンのワールドワイドな人気が表れているし、逆に言えば、日本の音楽を聴く外国人はほとんどアニオタしかいないという事実も表れていると思う。あと、NARUTOが強い! 日本人からすると、「今もNARUTOがベスト10に入ってるの!?」という印象かもしれないが、同作は海外でずっと大人気らしい。

 日本国内に目を向けると、今人気のアニメ『SPY×FAMILY』(テレビ東京系)の主題歌はOfficial髭男dismの「ミックスナッツ」だし、エンディング主題歌は星野源の「喜劇」である。そういえば、今夏公開の映画『ONE PIECE FILM RED』にて、歌姫・ウタの歌唱パートを担当したのはAdoだった。

 この状況を受け、番組は「アニソンは大注目市場になった」と伝えている。加えて、ドラマの主題歌に起用されても売上にそこまで影響しないという現状も関係している気がする。かつてはドラマだったけれど、今はアニメ。ミュージシャンがその時代に人気のあるコンテンツとタイアップするのは当然である。しかも、関わったアニメ作品が海外でウケれば、楽曲も共に海外でバズる芽が出てくる。なるほど、大注目市場になるべくしてなったという感がある。

 もう1つ、アニソンが注目される要因は以下だ。

「2000年代の頭くらいから、アニメのメインの放送枠が深夜になったんです。ということは、子ども向けに作る必要がなくなったんですよ。それを日常的に見て育ったアーティストにとっては、アニメに対するリスペクトだったり、文化が当たり前にある」(冨田)

 アニソンに抵抗がない世代のミュージシャンが時代の先頭に立った、という現状も大きいわけだ。正直、30~40年前はアニメとタイアップするだけで、世間に“落ち目”の印象を与える側面もあった。映画『機動戦士ガンダム』の主題歌「砂の十字架」を歌ったやしきたかじんが、このときのタイアップについて「一生の汚点」と感じていたエピソードは有名だが、本当に当時とは隔世の感だ。

 令和期の最先端ミュージシャン・藤井風がアニメ主題歌を担当する日も、きっと近い。個人的にアニメとのタイアップ曲といえば、『不滅のあなたへ』(Eテレ)主題歌に選ばれた宇多田ヒカルの「PINK BLOOD」が最高だ。

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