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祝・シーズン7!『ねほりんぱほりん』レビュー

安室奈美恵は「ファットFIRE」? その真逆、「リーンFIRE」のギリギリ生活とその理由

ギリギリのFIREは、昔で言うところの「出家」か?

 現在、カツさんは地方の田舎町で家賃1万円(インターネット代込み)の家に暮らしているそう。主に食事は自炊で、月の食費は1万円ほどだ。基本的に、毎日同じメニュー食べているらしい。朝は起きていないので、朝食抜き。昼は「納豆+みそ汁+プロテイン」、夜は「玄米+鍋(鶏肉と白菜)」というメニューを延々食べ続けている。

 なんか、わびしい。食事の内容が修行僧みたい。楽しくなさそうだ。でも、健康的ではある。図らずも粗食になっているのもいい。玄米は値段が少し高めだが、その分、副菜が少なくて済むというメリットも生まれるだろう。

 ちなみに、タイチさんはよく野草を摘むらしい。それをおひたしにしたり、鍋に入れることも多い。まるで、岡本信人ばり! 縄文時代でも対応できそうな食生活である。

YOU 「メニュー的には、プロテインだし、お味噌も飲んでるし、母親的にはまあ……ギリギリ大丈夫です」

カツ 「やっぱ、医療費とかは会社員と違って大変なところがあるので、健康には気をつけようかなと思って」

 ん!? もしかして、彼は保険証を持っていないのか……? 将来、必ず体力は衰えていくし、どうしたっていつかガタはくる。今のようにいかなくなる日は、間違いなく訪れる。やっぱり、心配だ。

山里 「コンビニに行ったりとかは?」

カツ 「誘惑が多いんで、あまり行かないようにしてるんですよ。例えば、『お金がないなあ』と思って現金おろしに行ったら、現金だけスッとおろしてすぐ出るみたいな」

YOU 「(店内を)見ないようにしてね」

山里 「誘惑に負けるから、パッと出て『草見に行こう!』って(笑)」

カツ 「コンビニを出たら、周りはほとんど草なんで」

 カツさんの生き方は、昔で言うところの「出家」に近い気がする。早期リタイアといえば聴こえはいいけれど、同時に人生までリタイアしていないだろうか?

 いや、それほど「働かなくていい」という事実は魅力的なのだろう。人間関係のわずらわしさの消失は、彼にとって何より大きい。

 カツさんに比べると、タイチさんはまだ堅実だ。

「株って平均的に、購入した金額に対し3~4%の配当金や株主優待が戻ってくるんです。それを計算すると、3000万円分の株を持っていれば毎年100万円分くらい配当金や株主優待がもらえるんです。『月に8~9万円で生活できれば、3000万円の株で会社を辞められる』と思い、辞めたんです」(タイチさん)

 タイチさんの月の食費は5000円。主に飲食チェーン店の株主優待を用い、食費を賄っているそうだ。彼の財布を見せてもらうと、数え切れないほどの優待券(コメダ珈琲店、イオン、マクドナルド、銀だこなど)が収まっていた。『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)でおなじみ、“桐谷さん”(棋士の桐谷広人)のような方式! ちゃんと資産を運用しているし、悲しいかな、カツさんとの差が浮き彫りとなってしまった。

カツ 「(優待券を見て)えーっ」

山里 「カツ君を誘惑しないで!」

YOU 「もらいなさい、何枚か」

カツ 「田舎なんで、これらの店は(近所に)全部ないです」

「えーっ」と羨望のリアクションを取ったカツさん。しかし、「うちの近所にはないです」とオチをつけたあたり、本心から羨ましがっているようには見えなかった。カツさんは、今の生活に満足しているようにも見えるのだ。彼の話を聞いていると、もはや仙人のよう。……いや、幸せの閾値がかなり低く設定されているようにも感じてしまう。

 付け加えると、配当金や株主優待だっていつどうなるかわからない。もし今後、リーマンショック級の大不況が訪れたら、配当をなくす企業も出てくるはずだ。まあ、不安要素ばかり挙げていても仕方ないか……。

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