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祝・シーズン7!『ねほりんぱほりん』レビュー

安室奈美恵は「ファットFIRE」? その真逆、「リーンFIRE」のギリギリ生活とその理由

安室奈美恵は「ファットFIRE」? その真逆、「リーンFIRE」のギリギリ生活とその理由の画像1
NHK『ねほりんぱほりん』公式Twitter(@nhk_nehorin)より

 

 10月14日から『ねほりんぱほりん』(Eテレ)のシーズン7が始まった。栄えある今シーズンの最初に選ばれたテーマは「夢の早期退職! 自由と節約のギリギリFIREライフ」である。

「FIRE」と聞くと「クビ」という意味を思い浮かべがちだが、ここで言うFIREは「Financial Independence Retire Early」の略である。「経済的自立」を達成し、「早期リタイア」することを意味するそうだ。

 早期リタイア、魅惑的な言葉だ。羨ましいかぎり。今回は勝ち組の人たちが登場するのだろうか? いや、違う。FIREの中にもいろいろな形があるらしい。

 

●「ファットFIRE」:一生働かずに暮らせる十分な資産があり、裕福な生活をしている人

●「サイドFIRE、バリスタFIRE」:資産を築きリタイアした後は、好きなときに働き生活費の足しにする人

●「リーンFIRE」:少ない資産でぜいたくせずに生活する人

 

 なんか、FIREの中にも序列があるのが嫌だな……。言葉を選ばず言うと、ピンキリだ。多くの人が想像するのは「ファットFIRE」だろう。現実的なのは「サイドFIRE、バリスタFIRE」だと思うが、まったくインディペンデントできていないので「それはFIREしているのか?」という疑問もよぎる。

 今回登場するのは、「リーンFIRE」に属する2人。20代後半のカツさん(FIRE歴9カ月)と30代後半のタイチさん(FIRE歴11カ月)である。2人ともまだFIRE歴が短いし、会社を辞めるのが早すぎる印象も受ける。カツさんにいたっては、10年も働かずにFIREになった。彼はまだ20代だし、バイトだって余裕でできるけども……。同番組レギュラーのYOUも同じことを思ったようだ。

「20代で退職? 意味わかんねえな。働き始める頃だよ(笑)。ちょっと働いてみて辞める? 親だったら許さないですよ。こっからだぞ! もう、安室奈美恵を超えた早い退職。奈美恵様(の引退)が40歳だというのに」(YOU)

 そうか、安室奈美恵もFIREなのか。ただ、彼女はまごうことなき「ファットFIRE」だ。

一生死ぬまでアニメを見続ける日々は幸せか?

 早期退職した彼らは、どんな毎日を送っているのだろう?

「アニメとかすごく好きなんで、ひたすらアニメを見ている感じです。多い日だと8時間くらい」(カツさん)

「私はずっと、アイドル好きなんですよ。アイドルオタクでAKBのYouTubeとか生配信を見たりとか」(タイチさん)

 アニオタとドルオタにとって夢のような毎日を送っている2人。アニメでもアイドルでも、動画を見て満足するならそれはかなり安上がりの趣味だ。でも、こういう日が延々続けば、それはそれでつまらなくなる気がするのだけど……。MCの山里亮太が質問した。

山里 「『これが毎日だったら、休みのありがたさがわからなくなる』みたいなことを言う人いるじゃないですか。その説は全然違います?」

カツ 「全然違いますね。月曜のしんどさが絶対に来ないんで。土・土・土・土みたいな」

「月曜日が来ない」、これだけでも早期退職は魅惑的に聞こえる。でも、彼らはFIREになってまだ1年未満。仕事もせず、一生死ぬまで毎日アニメやアイドルを見続け、果たしてそれで精神は大丈夫だろうか? さすがに、50代あたりでつらくなる気がするのだけど……。個人的には、「月土土土月土土」くらいが理想だ。

「年間60万円、月に5万円で生活」は健康ありきの計算では?

 そもそも、彼らはどのくらいの資産を貯めて退職したのだろうか?

「私は節約をして、それで浮いたお金で株を買って、3000万円くらい貯めて退職しました」(タイチさん)

 想像以上に少ない。3000万円の株だけで残りの人生を過ごすと考えると、心もとない。はっきり言って、全然足りないと思うのだ。 

「僕はですね、900万円。投資信託っていうのを貯めました」(カツさん)

「3000万円でFIREは早すぎる」と思っていたら、カツさんは900万円でリタイアしていた。いや、勝手なイメージとしては、FIREには最低1億円くらいは必要だと思っていたのだけれど。いくらなんでも、カツさんは無謀すぎるのでは?

山里 「900万円というお金はたしかに大金ではありますが、これから先、働かずに生きていくっていうのは難しいですよね?」

カツ 「FIREで言われている『資産収入だけで生きていけますよ』という基準は生活費の25倍が必要で、僕の場合は1500万円なんですね。なので、投資でだんだん増やしていくっていうのを今は考えています」

 生活費の25倍が1500万円。ということは年間で60万円、月に換算すると彼は5万円で生活しようとしているのか……? もちろん、投資もうまくいくとは限らない。そう簡単にお金が増やせるか、疑問である。

 年収が低ければ、国民年金と健康保険が免除される可能性はあるだろう。しかし、これからは物価も税金も高くなる。事実、今まさに想定外のレベルで電気代が値上がりしようとしている。そもそも、彼らはこのNHKの受信料を払っているのか?

「早く会社を退職して『脱出したい!』みたいな思いが強くて、『退職後の生活費はいくらになるだろう?』とExcelで何回も何回も計算して、月5万円ぐらいあればギリギリ生活できることがわかったので、『よし、いけるぞ!』と踏み切ったって感じです」(カツさん)

「よし、いけるぞ!」と当人は言っているが、いけないと思う。たしかに、現時点では生活費が5万に達しない月もあるらしい。しかし、その額は大病しないことが前提だ。健康ありきの話である。怪我や病気をしたならば、どうするのか? 入院や結婚といった大きなライフイベントが訪れた際、それらに対応できる資産はあるのだろうか?

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