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朝ドラヒロインに趣里!「30代を起用すれば芸能事務所が…」NHKの思惑

朝ドラヒロインに趣里!「30代を起用すれば芸能事務所が…」NHKの思惑の画像1
趣里(所属事務所公式サイトより)

 2023年度後期のNHK連続テレビ小説『ブギウギ』のヒロイン・花田鈴子役に、趣里(32)が起用されることが発表された。同作は、昭和のスター笠置シズ子をモデルとした作品。趣里はオーディションで2471人の候補者の中から見事選ばれた。

 朝ドラのヒロインといえば、伝統的に20代前半の若手女優が起用されることが多い。オーディションで選ばれる場合では、キャリアの浅い無名女優が抜擢されることも少なくない。しかし、近年は必ずしもそうではなく、キャスティングでの起用も増えている。

 2021年度後期の『カムカムエヴリバディ』では、上白石萌音、深津絵里、川栄李奈の3人がヒロインを務めるという異例のパターン。あるいは、2019年度後期『スカーレット』の戸田恵梨香のように、すでに大活躍している女優が起用されるケースもある。また、2018年度後期『まんぷく』では安藤サクラがヒロインを務めたが、安藤が出演オファーを受けたのは長女出産後のこと。当時は“朝ドラ史上初のママさんヒロイン”と発表された。

「ただでさえ朝ドラの視聴率が低下するなか、無名の若手女優では話題性も乏しい。数字を狙うために、すでに人気がある有名女優をキャスティングするケースが増えているわけです」(テレビ局関係者)

 趣里は、父・水谷豊、母・伊藤蘭という芸能一家に生まれ育ち、キャリアを積んできた。この事実もまた、NHKにとっては“ありがたい要素”だという。

「朝ドラのメインの視聴者層は、40代以上。趣里さんのバックには、『相棒』で比較的高い年齢層に圧倒的な支持を得ている水谷豊さんと、往年のアイドル伊藤蘭さんという2つのビッグネームがいるわけで、NHKとしてはそこを宣伝にうまく活用できる。そういった狙いがあったことは間違いないでしょう」(同)

 さらに、朝ドラヒロイン女優の年齢層が広がることで、NHKにもたらされるメリットも少なくないようだ。

「いくら視聴率が下がっているとは言え、多くの女優にとって朝ドラヒロインは憧れのポジションであり、そこを経験することで女優としての格もグンと上がる。“朝ドラ女優”という看板があれば、その後の仕事はわりと安泰ですからね。だから、多くの女優は朝ドラヒロインを射止めるために、NHKの作品に積極的に出演し、NHKへの“ポイント”を集めているわけです。

 以前なら、若手女優がそういった形で“NHKの貢献度”を意識していたのですが、30代以上の女優の朝ドラヒロインになることが増えた結果、若手だけでなくそれなりの知名度がある女優もNHKへの“ポイント”を高めるために、より協力的になっているんです」(同)

 各芸能事務所も、所属する女優が朝ドラヒロインに起用される可能性があるとなれば、NHKのオファーを優先的に受諾するようになる。

「民放のドラマなら主役じゃないと出演しないようなレベルの女優が、NHKでは2番手、3番手で出演するというパターンは少なくない。それも、その先に朝ドラヒロインに起用されるかもしれないという可能性があるからです。今回の趣里さんがオーディションでヒロインに起用されたことで、朝ドラヒロインの候補となる女優の幅はさらに広がったでしょう。今後、各事務所は、今まで以上にNHKに寄り添ったスタンスになっていくと思います」(同)

“朝ドラヒロイン”という唯一無二のポストをうまく活用しているNHK。視聴率は下がったとしても、芸能界における朝ドラパワーは衰えないようだ。

 

手山足実(ジャーナリスト)

出版業界歴20年超のベテランジャーナリスト。新聞、週刊誌、カルチャー誌、ギャンブル誌、ファンクラブ会報、企業パンフレット、オウンドメディア、広告など、あらゆる媒体に執筆。趣味はペットの動画を見ること、有名人の出没スポットパトロール。

てやまあしみ

最終更新:2023/03/08 16:54
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