ランジャタイの「わけがわからなさ」と「わけがわからない」ものへの手つき
#テレビ日記 #ランジャタイ #バラバラ大作戦
テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(10月9~15日)に見たテレビの気になる発言をピックアップします。
■ランジャタイ・国崎「あの頃のt.A.T.u.のような」
テレビ朝日系列の深夜のバラエティ番組放送枠「バラバラ大作戦」。20分程度のさまざまなバラエティ番組が放送される枠だが、この10月からいくつかの番組が新たに始まった。
各番組、先週で第2回の放送が終わったところだ。今回はそんないくつかの新番組の見どころを紹介してみたい。
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まず、火曜の『ランジャタイのがんばれ地上波!』。昨年のM-1でファイナリストになったランジャタイ(国崎和也、伊藤幸司)がテレビの“ド定番”企画に挑戦し、地上波テレビの新たな可能性を探ろうとする番組である。自由で新しい表現を見つけていきたい、という意気込みを、国崎はこう表現した。
「あの頃のt.A.T.u.のような」
初回(4日)と第2回(11日)の放送では、番組アシスタントを決めるオーディションが行われていた。で、その出場者はアイドルグループ・=LOVEの野口衣織と諸橋沙夏に加え、俳優の高橋英樹と“素人”の大島さん。ランジャタイの出演番組でときどき見かける大島さんは、群馬在住のチャーハン好き以外の情報がほとんどない謎の存在だ。そんな大島さんと高橋英樹がメンチ切り対決をしたり、カラスを超能力で倒す対決が行われたりといった摩訶不思議アドベンチャーが、2週にわたってお送りされた。
8日の『お笑いの日』(TBS系)で、津田篤宏(ダイアン)と見せたゴイゴイミュージカルもそうだが、ランジャタイは彼ら自身が「わけがわからない」ようでいて、それ以上に周囲の「わけがわからない」ものを扱うのに長けているのかもしれない。周囲から「わけがわからない」と言われるようなことをやり続けた結果、彼らの周りで起こっていることは「わけがわからない」ものであっても成立してしまう、いや、「わけがわからない」からこそ成立してしまうというか。トランプの大富豪で革命が起こったときのように、彼らが画面に映るとゲームのルールが反転してしまう。眼の前で「わけがわからない」ことが繰り広げられているのを見る国崎の楽しげな笑顔が、もろもろの疑問を吸収していく。
やり続けることが大事、とはよく言われるが、ランジャタイはまさにそれを体現しているのかもしれない。彼らにいま吹いている追い風がいつまで続くのかはわからないけれど、いまのうちに行けるところまで行ってほしい。
『ランジャタイのがんばれ地上波!』は、そんな彼らに伴走する初の在京キー局冠レギュラー番組だ。放送し続けるとどこに到達するのか、いまから楽しみでもある。こればかりは、あの頃のt.A.T.u.のようにバックレてほしくはない。
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