テレ朝・玉川徹氏の「降板」めぐり賛否両論 “保守寄り”の辛坊治郎氏、橋下徹氏が「擁護派」に
#玉川徹
同時間帯の視聴率トップを走っているテレビ朝日系の朝の情報番組『羽鳥慎一モーニングショー』においてコメンテーターで同局社員の玉川徹氏が「虚偽」の発言をしたとして謹慎処分を受けた騒動で、玉川氏の番組降板が取りざたされていることに波紋が広がっている。
玉川氏は9月28日の同番組で、安倍晋三元首相の国葬の進行や菅義偉前首相の弔辞について「当然これ、電通が入ってますからね」と断言。大手広告代理店の電通による「演出」だと自信満々に主張したが、翌日の放送で「事実ではありませんでした」と全面謝罪した。ちなみに、国葬の企画・演出業務は安倍氏の首相在任中に「桜を見る会」で会場設営を担当したイベント会社「ムラヤマ」(現在は日本テレビ子会社)が受注している。
また、玉川氏は世間で絶賛された菅前首相の弔辞には政治的意図が隠されているとして「僕は演出側の人間として、テレビのディレクターをやってきましたから、そういうふうに作りますよ。政治的意図がにおわないように制作者としては考えます」と発言。ディレクター時代に政治的意図を隠して番組を制作し、世論を誘導していたと思われかねない言葉だとして、こちらも非難の的になった。
批判の高まりを受け、テレビ朝日は玉川氏に今月4日付で出勤停止10日の謹慎処分を下した。だが、局にとって大事なビジネスパートナーである電通に「濡れ衣」を着せた上に、テレビの信頼性が揺らぐような発言をしたのだから、それで収まるはずもなかった。
13日付の「NEWSポストセブン」(小学館)は、玉川氏が来年で定年ということもあって「番組を降板する意向を固めた」と報道。14日付の「スポニチアネックス」は「コメンテーターの立場からは退き、企画コーナーなどで出演継続する方向で話し合っている」と伝えた。
さらに、15日付の「文春オンライン」(文藝春秋)はテレ朝の「放送番組審議会」の発言録を入手したとし、幻冬舎の見城徹社長、弁護士の田中早苗氏、脚本家の内館牧子氏らが委員として出席した審議会で「何を根拠にあれだけの問題を公器で言ったのだろうか」「コメンテーターという形では、もう画面には出ないほうがいい」などと厳しい声が相次いだと報じた。約2時間の議論の大半が玉川発言に費やされ、意見の9割が批判的なものだったという。
さらに、テレビ報道を検証する一般社団法人が「放送倫理・番組向上機構(BPO)」に責任追及を求める申し入れ書を提出すると報じられたり、現役の国会議員が国会で問題提起すると息巻いたりと騒動は拡大するばかり。この状況を見ると、番組を降板することになっても致し方なく、少なくともコメンテーターとして以前と変わらずに出演を継続するのは難しいように思える。
だがその一方、玉川氏を擁護する声もある。「リベラル寄り」の発言が多かった玉川氏に対し、驚くことに「保守寄り」とされる論客から続々とエールが送られているのだ。
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