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キングオブコント2022ではなぜ、“得点インフレ”が起こったのか?

キングオブコント2022ではなぜ、得点インフレが起こったのか?の画像1
見事優勝を果たしたビスケットブラザーズ。「キングオブコント2022」公式サイトより

 ビスケットブラザーズの優勝という結果になった「キングオブコント2022」。決勝では、かつてのチャンピオンであるキングオブコメディの今野浩喜さんが、音声で参加されるというサプライズもあり、観覧のお客さんの過剰な反応もなく見応えは最高でした。

「大盛りあがりだった昨年以上にレベルが高い大会」との称賛も上がっている中で、各芸人たちへの得点の上がり方が凄かったのも、今年の特徴の一つではなかったでしょうか。

 松本人志さんがビスケットブラザーズのネタ2本に、98点をつけるというインパクトもありました。松本さんは昨年の空気階段には1本目97点・2本目95点をつけています。実は松本さんが決勝の得点で95点以上つけることは珍しく、2019年優勝のどぶろっくには1本目96点・2本目91点で、それでも驚かれましたよね。

 それ以前だと、高得点をつけたとしても、97点がMAXでした。2018年(優勝ハナコ)チョコレートプラネットの1本目に97点、2017年(優勝かまいたち)にゃんこスターの1本目に97点をつけたという感じです。

 またその半面、2015年(優勝コロコロチキチキペッパーズ)は、巨匠とさらば青春の光に80点。2016年(優勝ライス)はななまがりに80点。2017(優勝かまいたち)の年にパーパーに80点。2018(優勝ハナコ)の年にだーりんずに80点と、容赦ない得点を浴びせるのも松本さん採点の特徴です。

 今回は1番バッターのクロコップの評判が非常に高く、大会そのものの評価を上げたキーパーソンになっていると思います。そして90点以下とした審査員がいなかったのも、このインフレの始まりだったのかもしれません。結果は合計得点460点以上で、それはかなりの高得点です。クロコップは結果としては8位でしたが、460点は2020年(優勝ジャルジャル)に3位通過した空気階段が458点。2019年(優勝どぶろっく)に3位通過したジャルジャルが457点だったのを考えると、今回のクロコップの460点がどれだけ高い得点だったのかが伺えます。

 そして2番手はネルソンズ。クロコップとは全く違う闘い方で得点の入り方が予測できない状態でした。合計点が466点で、そこで「460点を超えるのかい!」と思いました。先ほどお伝えした通り460点を超えるということがかなり凄いことなのです。その後の出番のかが屋が463点。「あれ、この3組が最終決戦に残って、後半盛り下がるか?」と思わされました。

 4番バッターのいぬ、ここがまた変則的なネタでハマっているのかハマっていないのか分かりませんでした。ここで東京03飯塚さんが89点をつけ、「辛いな」と思わされた――その状況が、高得点がバンバン出ているのが当たり前となっているインフレ状態だったのです。

 よくよく考えたら89点は、例年ならば結構、高得点です。ただ飯塚さんの次の台詞で印象がガラッと変わりました。

「いやー、めちゃくちゃ笑いました。一番笑ったかもしれません。やっぱキスは禁じ手だと思うんですよね。多かったし……」

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