オール沖縄だったはずの城間那覇市長、自公が擁立する知念前副市長の支持を表明
#自民党 #沖縄
今月16日に告示される那覇市長選(23日投開票)は、2期で引退する現職の城間幹子市長(71歳)が12日、前副市長で自民、公明が推薦する知念覚(ちねんさとる)氏(59歳)を支持すると正式に表明した。
表明後、9月11日の知事選で玉城デニー知事選を当選させた米軍の辺野古新基地建設に反対する「オール沖縄」陣営には大きな衝撃が走った。城間市長が保革勢力の呉越道舟ともいえる「オール沖縄」を構築した元那覇市長で前知事の故・翁長雄志(おながたけし・2018年8月8日死去)氏の後継市長として2度当選した経緯があるからだ。
今回の市長選は、「オール沖縄」が支援する無所属新人で前県議の翁長雄治氏(35歳)と、自公が推す無所属新人で前副市長の知念氏の事実上の一騎打ちとなっている。
翁長雄治氏は故・翁長氏の次男で、市長選でどの候補を支持するか明らかにしなかった城間市長に対しても、「城間市長とぜひ一緒にやっていきたい」と述べるなど支援に期待を示していた。加えて、10月13日付の読売新聞のオンライン記事によると、那覇市議会の「オール沖縄」の市長与党会派は表明前日の11日、翁長陣営の選対本部長就任を城間市長に打診したばかりだった。
「オール沖縄」にしてみれば、過去2回の選挙で全面的に支援し圧勝させてやった城間市長に「裏切られた」感覚だろうが、苦しい市長の胸の内を那覇市議会における野党、自民党の奥間亮市議がインスタグラムへの12日付の投稿でうまく説明している。
この投稿をInstagramで見る
城間市長は5月2日に引退を表明して以降、6月の市議会の答弁でも「オール沖縄」から距離を置くような発言を繰り返してきた。
6月9日付の「沖縄タイムス」電子版によると、同8日の那覇市議会定例会で、城間市長は湧川朝渉市議(共産党)から政治姿勢を問われると、「翁長雄志前知事の遺志を継承する玉城デニー知事を応援し、普天間飛行場の辺野古移設反対を堅持する立場と信念は少しも変わっていない」と述べ、従来の主張を繰り返した。しかし、前日7日の奥間市議の代表質問には、「市政運営に辺野古新基地への賛否が直接影響するものでない」と答弁、那覇市政と辺野古新基地建設は全くの別物であると線引きした。求められる次期那覇市長の資質については「市民福祉の向上や地域の発展に全力を挙げてほしいという一点につきる。私が市長選の支援をするなら、その強い思いの有無にある。(次期市長候補に)ことさら政治姿勢は問わない」と述べた。
至極あたりまえの話だ。那覇市長は那覇市政に専念し、那覇市民の生活向上と幸福を何よりも優先すべきだ。
奥間市議の「イデオロギーや基地問題に左右されない、福祉や経済政策の推進など市町村行政のあるべき姿(中略)を取り戻さなければなりません」という主張はサイレントマジョリティー(積極的な発言行為をしない多数派)たる多くの那覇市民が感じているところだ。
那覇市長選は、辺野古新基地建設への民意を問う選挙ではない。低迷する那覇市の経済回復と県民一人一人の生活向上が、どの候補ならより確実に実行するかを基準に選ばれるべき選挙なのだ。
城間市長の知念候補支持表明は、今まで彼女の選挙を支えてきた「オール沖縄」陣営から見れば裏切り行為以外の何ものでもない。晩節を汚したと言う人も出よう。
ただ、汚名を被ってでも城間市長が知念氏支持を表明したのは、「50年、100年後の那覇の将来を見据えての決断」(那覇在住、元沖縄県庁職員)なのだという。最終的な評価は後世の歴史家に委ねるとして筆者もそうであると信じたい。
沖縄の記者には追えなかった地域社会のタブー!! 「私宅監置」の実情に迫った『夜明け前のうた』
私宅監置という言葉を聞いたことはあるだろうか? 精神障害者を自宅の一室や小屋に閉じ込めることを認めた、明治から昭和にまで日本に存在した法制度のことだ。1900年(明治...サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事