『関ジャム』がミュージシャンたちの締め切り逃れテク&愚痴大会に!?
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清塚信也、ドラマ『コウノドリ』テーマ曲づくりに苦戦の理由」
清塚からは、「『あの曲みたいに……』『切なく……』、抽象的なオファーはイラッとしません?」というテーマが挙がった。つまり、タイアップについての質問だ。
特に、彼が腹に据えかねているのは、映画やドラマに関してのよう。具体的に、清塚はドラマ『コウノドリ』(TBS系)のメインテーマだった「Baby, God Bless You」制作時のエピソードを明かしてくれた。こんなオファーが寄せられたそうだ。
「(スタッフから)『命の誕生の喜びを表してくれ』って。だから、“喜び!”みたいな曲を作っていったんですよ。でも、『違う』と言われて。やってもやっても、全部跳ね返される。『全然、違います』って言われるんです」(清塚)
ドラマチームが発注する「命の誕生の喜び」のニュアンスが掴めずじまいだった清塚は、そのスタッフと飲みに行って真意を探ったそうだ。
「ベロベロになって、『だからね、清塚さん。命が誕生するってことは、切ないの! だから、切ない曲よ!!』って言われたんです。(最初から)言えよと。1回目の打ち合わせで『切ない曲をくれ』って言われたら、100曲持ってくよ! だから、音楽性よりもまずは洞察力ですよね」(清塚)
笑えるエピソードだが、それでいて深い話だと思う。ドラマを作るスタッフは、大抵の者が曲を作れない。音楽の素人であるドラマ監督が、ミュージシャンに曲を注文する発注主の立場なのだ。曲が作れるクリエイターは、ドラマチームの中で作曲家しかいない。両者のストロングポイントが異なる時点で、意思疎通のハードルは高い。清塚が導いた「音楽性より洞察力」という結論は、非常に考えさせる答えだと思うのだ。
タイアップ曲は、とかく難しい。秦も抽象的なオファーに悩んだことがあるようだ。
「1回(曲を)提出して、戻ってくるときに『もうちょいサビ、“バーン”ときませんか?』とかがすごい多くて。『は!?』って思います。『何を言ってるんだろう?』と思って」(秦)
巨人軍・監督時代の長嶋茂雄じゃないんだから。雑に擬音でイメージを伝えようとするから、秦は困ってしまうのだ。
横山 「(発注主は)何かを言いたいんでしょうね」
秦 「そうだと思うんですよ、『何か言わなきゃ』って。何かが気に入ってないと思うんですけど」
悩める秦にテクニックを伝授したのは斎藤である。
斎藤 「僕は『ワケわかんない』と思ったら、とりあえず『元気よく返事する』ってのがあって。『こうしてください』って言われたら『はい!』って言って、まったく同じことやる(同じ曲を出す)。意外とOKってなることがあるんです」
古田 「言ってくるほうは、ノープランの奴がいるからね」
斎藤 「言ったことに満足して、返事を聞いて『OK!』ってなっちゃってるから、まったく同じことをやっても良く聴こえてるという」
秦 「それ、ムチャクチャいいじゃないですか!」
“元気よく返事するテク”を秦に教えた斎藤。秦は秦で、この妙案に衝撃を受けたようだ。すごく汎用性のある戦法だと思う。というか、ほとんどこれは音楽の話ではない。
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