キングオブコント2022、や団が決勝に行けたのには意外な理由があった!
#馬鹿よ貴方は新道竜巳 #KOC2022を語ろう
今回、「キングオブコント2022」で最も結成年数が高いのが、結成2007年のトリオ・や団です。
ロングコートダディ結成2009年、いぬ結成2010年、ネルソンズ結成2010年、ビスケットブラザーズ結成2011年、コットン結成2012年、ニッポンの社長結成2013年、クロコップ結成2013年、かが屋結成2015年、最高の人間結成2022年。
この出場者の中でや団は、結成15年目になります。本間キッドさん1982年12月23日産まれ、中嶋享さん1982年6月23日産まれ、ロングサイズ伊藤さん1981年3月22年産まれ、3人ともアラフォーです。世間からみればまだまだ若手ですが、芸歴としてはベテランです。
や団とは結成1年目のころからお笑いライブでよく、ご一緒する機会がありましたが、初めて見た時からお客さんを笑わせていました。
たしかに5年前くらいから「や団はそろそろキングオブコント決勝に行くんじゃないか」といわれ始め、本人たちもお笑いライブに出演しては周りの芸人に「ネタの感想を教えて」と聞いてまわるなどし、ネタの精度に対する探究心は目立って高かったんです。
結成当初からの面白いトリオが、キャパ100くらいの劇場ではバンバン笑いを取りつづけてきました。2020年には『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ系)の「山-1グランプリ」で優勝しさらに期待は寄せられて、ついに2022年でその期待に応えられる形となりました。そんな彼らでも、キングオブコントの決勝に勝ち進むのには丸15年かかったわけです。
当然のごとくライブで沢山ネタをやっていて「キングオブコントではこのネタをやる」というイチ押しのネタは決まっていたそうです。
ところが予選直前の7月30日に出演した対戦式のバトルLIVE「キングオブフルコース」(会場は満席)で、ライジングアップ所属のマッハスピ―ド豪速球というコンビ(「キングオブコント2022」準々決勝進出)と争い、や団は敗退してしまいました。思っていたより手応えを感じず、本来キングオブコントでやろうと思っていたネタを急遽変更し、別のネタで臨み決勝に勝ち進んだそう。このライブ1つが、や団にとっては大きな評価の分かれ目となったんですね。それなので、今回の決勝進出には、マッハスピード豪速球との対戦が大きなきっかけになったと思われます。
なお、余談となりますが、マッハスピード豪速球は今年のキングオブコント2022で準々決勝敗退となりましたが、2015年にも準決勝に出場したことのある実力派コント師です。今年のキングオブコント2022予選直前には、北沢タウンホール(300席)での単独ライブも成功させました。ちなみに、サプライズゲストとしてランジャタイも出演していました。彼らも今年は特に決勝に行く気持ちが強く、や団をライブで倒すほどの強敵であったことがうかがえます。
さて、最後にや団の所属はこのところ注目が集まるSMA NEET Project。同じ事務所にはM-1グランプリ2021優勝した錦鯉、R-1ぐらんぷり2017優勝のアキラ100%、R-1ぐらんぷり2016優勝のハリウッドザコシショウ、キングオブコント2012優勝のバイきんぐなどが所属、優勝者以外にもファイナリストを続々と輩出していて、このところは“賞レース専門の事務所”にもなりつつあります。
現在は女芸人No.1決定戦THE Wでの優勝者だけがまだ出ていないので、女性コンビのあっぱれ婦人会、やす子、キャピツボ、妄想ほりっく、などの動向にも注目しています。
『キングオブコント2022』で改めて考える“ドキュメンタリーとしての側面”
放送作家の深田憲作です。 「企画倉庫」というサイトを運営している私が「あの企画はどこが面白いのか?」を分析し、「面白さの正体」を突き止めるための勉強の場としてこの連載...サイゾー人気記事ランキングすべて見る
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