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『キングオブコント』胸を熱くさせた、岡野陽一の7年ぶり決勝カムバック

準決勝はどう見ても1ウケのニッ社 お笑いは難しい

『キングオブコント』胸を熱くさせた、岡野陽一の7年ぶり決勝カムバックの画像2
ニッポンの社長「人類再生計画」(YouTube「ニッポンの社長の思い出チャンネル」より)

【6】や団 ~泥臭いはカッコいい~  全員アラフォー、僕の友達のランジャタイが事あるごとに「や団が1番面白い」とイジっていたトリオ。今思うとあれはイジりじゃなくて、そういう世の中になってほしいという願いだったのかもしれない。いや絶対イジってただけだな。あれだけ爪痕を残したのに、Twitterが「3文字以上」じゃないとトレンド入りしないシステムでコンビ名がトレンド入りしなかったというエピソードまで泥臭くてや団らしい。や団が1番面白い。

【7】コットン ~心機一転はムダじゃない~
 結成3年目の2014年の『キングオブコント』で準決勝進出を果たし、ネクストブレイクと言われ続けてきたものの、その後は『M-1』や『キングオブコント』ではなかなか決勝に進めなかったラフレクラン。昨年、コンビ名を「コットン」に変えて心機一転を図った。さらに決勝2日前に西村さんが結婚したことをサプライズ報告。プライベートでも心機一転となり迎えた決勝で堂々の2位。どこかのビジネス本に書いてあった「決意を新たにするのがこの世で1番ムダ」というフレーズを完全に打ち消す結果となった。関係ないが、ネタ中に「スミノフ・澪・ほろよいは男が1人で飲むわけがない酒」というフレーズが出てきたのだが、その瞬間僕は澪を飲んでいた。

【8】ビスケットブラザーズ ~人生は楽しい~
 チャンピオンに御託は不要、本当に面白かった。優勝後のきんさんのコメント「十分楽しい人生なのにもっと楽しくなっちゃう」は、「売れない時期は泥水をすすっている」という従来の芸人像からはかけ離れている。これは、昨今のお笑いブームによる芸人さんの地位の底上げや、コロナ禍で配信チケットが売れるようになったことなど複合的な理由がもたらした令和新時代のお笑い界を象徴するコメントだと思う。

【9】ニッポンの社長 ~お笑いは難しい~
 準決勝では圧倒的な1ウケだったものの決勝では10位。僕は準決勝を配信で観たけどたしかに1ウケだと思ったし、芸人界隈では話が盛られすぎて「ニッポンの社長はウケすぎて準決勝の会場で優勝した」という噂まで流れたほどだ。準決勝と決勝の質の違いなど要因はいろいろあると思うけど「お笑いは難しい」に尽きる。うーん、一旦暗転。

【10】最高の人間 ~おじさん最高~
 僕は岡野陽一さんと昔から仲良しで、僕のほうが年下にもかかわらずたくさんごはんをご馳走してきた。岡野さんはかつてのコンビ「巨匠」時代に2回決勝進出を果たしている。特に2回目は前評判も高く優勝候補と期待されていたにも関わらず結果は奮わなかった。「残念会」という名でただいつも通り飲んでいたときに「巨匠、解散します」と言われて驚いたことを今でも覚えている。

 そこから紆余曲折あって、ユニットとして、しかも男女コンビで7年ぶりに決勝の舞台に戻ってくるとは夢にも思わなかった。「クズキャラ」としてブレイクを果たし、ある程度仕事も安定していたはずなのに、彼の中でお笑いの炎は消えていなかったのだ。そう思うと胸が熱くなる。人生何が起こるか分からない。クズなおじさんは決して腐ってはいなかった。

“歴代最高”と言われた昨年の大会を受けて、今年はどうなるのかなと思っていたが、フタを開けてみれば昨年に負けず劣らず素晴らしい大会だった。いや、昨年より素晴らしかった。お笑いは常に進化し続けている、昨年より今年のほうがいいに決まってるし、今年より来年のほうがきっといい大会になるに違いない。

(編集/斎藤岬)

 

 

高橋雄作(TP、プロデューサー・作家・社長)

プロデューサー、作家、社長。2022年夏、テレビ朝日を退職し独立。音声配信アプリ「stand.fm」コンテンツアドバイザー、お笑いラジオアプリ「GERA」チーフプロデューサー。YouTubeチャンネル「金属バット無問題」などを手掛ける。

Twitter:@takahashigohan

たかはしゆうさく

最終更新:2022/10/15 19:00
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