トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 関西局の番組改編が物議
【日刊サイゾー】関西バラエティ番組事件簿

『今ちゃんの「実は…」』終了、さんま浜ちゃんの枠も移動… 関西局の番組改編が物議

『今ちゃんの「実は…」』終了、さんま浜ちゃんの枠も移動… 関西局の番組改編が物議の画像1
ABCテレビ『今ちゃんの「実は…」』公式サイトより

 全国で人気のタレントを多数輩出し、またローカル番組らしい味わいがクセになる、関西制作のテレビ番組に注目する連載「関西バラエティ番組事件簿」。

 今回は、関西のバラエティ業界で物議を醸した10月の番組改編について考察したい。

「賞レース主義」の傾向が強くなり、中堅以上の芸人は今後どうなる?

 この秋、関西の長寿番組が転換期を迎えた。特に筆者が残念に思うのが『今ちゃんの「実は…」』(ABCテレビ)が、10月26日放送回をもって終了することである。

 今田耕司が司会をつとめ、芸人たちが関西のディープスポットや人に焦点をあてていく同番組。名物企画だったのは、千鳥がお店の看板娘の自宅を訪問して素性を探っていく「美女ロケ」。大悟、ノブが欲望むき出しでやりたい放題する暴走ロケは、関西ローカルの深夜番組らしさがあふれていた。

 また、同番組が貴重だったのは中堅以上の芸人たちたちにとって活躍の場であったことである。たとえば芸歴10年以上で月収10万円未満の芸人を紹介する企画「くすぶり芸人」では、ヘッドライト、カナリアらがフックアップされた。

 現在のバラエティ番組の多くは、『M-1』など賞レースで印象をのこした芸人らが出演者のウエイトを占めている。一方、賞レースへの出場資格を失ったり、結果が出せなかった中堅以上の芸人たちは、活動の場が限られつつあるのが現状だ。以前、あるお笑いコンビに取材した際も、『M-1』『キングオブコント』などの決勝にのこれずキャリアを重ねていくと、テレビから声がかかりづらくなったり、劇場での肩身が狭く感じたりすると話していた。これは一概には言えないが、昨今、中堅以上のコンビなどの解散が相次いでいるのも、そういった「賞レース主義」の傾向が影響しているようにも思える。

『今ちゃんの「実は…」』は、出どころが少なくなりつつある芸人たちの受け皿にもなっていた。もちろん、まだまだ知られていない若手芸人にもチャンスをあたえてくれる番組でもあった。全国的にメジャーではない芸人たちが輝ける場所が失われるのは、関西のローカル番組として大きな損失である。

明石家さんま、ダウンタウン・浜田の長寿番組が枠移動

 明石家さんまの「大阪の番組を大切にしたい」という気持ちもあり、32年間続いているレギュラー番組『痛快!明石家電視台』(MBS)は、定番だった月曜午後11時56分の放送枠から土曜午後3時に移動した。

 同番組としては初の放送曜日の移動とあって、関西では特に強い衝撃を与えた。『痛快!明石家電視台』は、素人出演者をまじえてのクイズなど内容・構成を何度かモデルチェンジし、現在は旬のお笑い芸人たちと明石家さんまを引き合わせるマッチング企画が中心となっている。

 また、ダウンタウンの浜田雅功がゲストとともに大阪の街歩きをおこなう『ごぶごぶ』(MBS)も、火曜深夜から土曜昼へと枠移動。こちらも15年半続いている番組で、曜日移動は何度かあったものの、レギュラー放送はすべて深夜枠だった。10月からは土曜午後2時という初の昼放送となる。浜田のムチャぶりでロケ先が急きょ変わったりするなど、スタッフらが翻弄される様子が見どころだったが、枠移動が番組内容に変化を与えるのかどうか。

 これによりMBSでは土曜日は朝からトミーズが司会の『せやねん!』、つづいて大阪名物『よしもと新喜劇』、そして『ごぶごぶ』『痛快!明石家電視台』と“大御所系”の4番組が立て続けに放送されることになった。

12
ページ上部へ戻る

配給映画