ビスケットブラザーズ、 生理的に無理でも強制的に笑わせる暴れぶり!全ネタレビュー
#檜山豊 #KOC2022を語ろう
9番手は3年連続で決勝進出を果たした『ニッポンの社長』
その独特の世界観でコアなファンをつけ、人気芸人の仲間入りを果たしている。
優勝こそしていないが、お二人のキャラクターの浸透度、そしてメディアへの露出度や知名度の点でいうとすでに十分な気もするが、やはり「キングオブコント優勝」という肩書きを手に入れたいのだろう。
今回のネタは新世紀ロボ”バーリオン”の研究者が、シンイチという少年を探し出し、ロボに搭乗するようにお願いするというエヴァンゲリオンのパロディネタ。葛藤の末乗ろうとすると何かしらの理由をつけられて「やっぱええわ」と断られ、ショックを表現するスポットライトが当たり暗転。それを何度か繰り返しストーリーが進んでいくオムニバスコント。
この形はとても笑いがとりやすく、繋がりを考えなくて良いので量産することが可能だ。その反面オチがバレているので、オチに行くまでの内容がどれだけお客さんの想像を裏切れるかがポイントになってくる。しかも暗転中にお客さんは次の展開を想像してしまうので、より裏切るのが難しい。
そしてもうひとつ、暗転を挟むことによりお客さんの集中力は途切れてしまい、それまで起きていた笑いがリセットされるというデメリットもある。簡単にネタが作れる分、逆にデメリットも多く、諸刃の剣のようなネタと言えるだろう。
「ニッポンの社長」らしさはネタの難解さとお客さんに媚びずにその世界観を披露する部分にあると思っている。なので今回のようにわかりやすいネタで勝負するとらしさが薄れてしまい、本来のポテンシャルが発揮できていないように思う。2021年のネタも同様。
どうしても優勝したいという思いがあるのならば、自分たちがお客さんの感覚に寄っていくのではなく、自分たちの感覚を100%残したまま、それをどうやったら伝えられるかを研究するべきだ。それは決してわかりやすいネタを作るということではなく、わかりにくいネタを理解させるということ。この違いは大きい。
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