ビスケットブラザーズ、 生理的に無理でも強制的に笑わせる暴れぶり!全ネタレビュー
#檜山豊 #KOC2022を語ろう
4番手はコント一筋13年。初決勝進出『いぬ』
今までもいくつかネタは見たことがあるのだが、普段の感じの穏やかな口調とは違ってかなり強烈なインパクトがあるネタをするイメージが強い。
ネタ前の紹介VTRを見る限り、ネタを見た女性のお客さんからが悲鳴をあげたり、気持ち悪いと言われることもあると仰っていたので、基本ベースが普通ではない特殊ななネタが多いコンビなのだと見受けられる。
決勝戦で行われたネタも確かに普通ではない特殊なネタだった。スポーツジムに通う年配の女性とジムのトレーナーがお互い夢に出てきてしまい意識するというネタ。
その夢が特殊で、腕立て伏せをする地面側に相手がいて度々キスをしてしまうといった夢でそれによりお互いが意識し、最終的に現実のものになるというのが大まかな内容だ。いぬさんのパワーを活かしたオリジナリティ溢れるネタであり、正直なところ賛否両論あると思うが爪痕を残せたのは言うまでもない。
ただこう言ったコンテストでは、賛否両論あるネタは優勝するのが難しい。どれだけ否が無いネタを持ってこられるかがポイントになってくるのだ。その点、いぬさんのネタ自体がどれも賛否両論激しいものだとすれば、決勝戦へ進出しただけでも価値がある。この大会により知名度があがり、いぬさんのネタを面白いと思う人間が確実に増えたはず。このネタのスタイルを変えることがないのであればそれだけで十分だ。
今のネタでもいぬさん的には完璧に近いものだと思うのだが、僕的にもっとこうした方がさらに称賛する人間が増えるのではないかと思う点があるのでそれを書きたいと思う。
かなり気になったのは。台本の段階でキスをするというところに意識が集中してしまい、セリフのこだわりやキャラクターの心理描写があまり無かった点だ。お互いタイプではないもの同士が夢のせいで意識してしまうなどの描写があった方が、ネタに深みが出たのではないだろうか。
さらにセリフの繋がりがあまり上手ではなく、夢の話に行くために無理やりぶつ切りの会話をしている部分があり、残念ながらネタが拙く見えてしまった。キスの部分が圧倒的に変なので、そこに行くまでの会話はなるべくスマートで巧みな方がギャップが生まれて、よりふざけて見えたと思う。
いぬさんらしいネタは確立されているので、今後は芝居だったりセリフにこだわった方がもう一段階ネタがパワーアップすると思う。あとおばさんのディテールが古くさいものだったので、ネタ自体が古く見えてしまうのもマイナスポイント。細部にこだわりを。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事