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『silent』目黒蓮の演技力を現役講師が解説! “筋”でも感情を表現!?

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フジテレビ『silent』オフィシャルサイトより

 主演の川口春奈とSnow Man・目黒蓮の共演が話題の恋愛ドラマ『silent』(フジテレビ系)が10月6日にスタートした。主人公・青羽紬(川口)が、“若年発症型両側性感音難聴”を患った学生時代の元カレ・佐倉想(目黒)と8年ぶりに再会する、切なくも温かいラブストーリー。放送後には目黒に対して「思いを手話に乗せて話す姿が圧巻」「めめ(目黒の愛称)の繊細な表情と役柄がぴったり」などとネット上で賛辞が相次ぎ、Twitterでは「#silent」が世界トレンドで1位になるほどの反響を呼んだ。

 目黒の演技は、なぜ初回から多くの視聴者の心を掴んだのだろうか。現在、「エイベックス・アーティストアカデミー」のシアター総合コースディレクターとして演技講師も務める演出家で俳優の秋草瑠衣子氏に、『silent』の第1話を見てもらい、目黒の特徴を解説してもらった。

手話シーンは「筋肉の強張り」に注目

 目黒さんの演技は初めて拝見しましたが、印象として表情が豊かで、ちゃんと全身使ってテンションの変化を見せられる方だなと思いました。それで調べてみたら、『滝沢歌舞伎』という舞台に長年出演されていたそうで、納得いたしました。やはり舞台経験が長い演者の方は、表情の動きや身体で演技することができる方が多いのだと思います。

 今回のドラマでいえば、耳が聞こえていた高校時代の佐倉と、耳が聞こえなくなった現在の佐倉は、普段の表情も別人のように異なります。自分に自信があって、いかにも“リア充”そうな、絵にかいたような少女漫画の主人公みたいな男子高校生が、「おだやかに、静かに、目立たず生きていきたいです」みたいな大人になっている姿を、ちゃんと全身(姿勢や身体の力み具合や表情)で作ることができていて感心しました。

 何より今回注目していただきたいのは……と私がわざわざ言わなくとも、このドラマをご覧になった方はみなさん注目したであろう、再会してしまった青羽に手話で自分の気持ちを吐き出すラストシーンです。

 “耳が聞こえなくなって3年”という設定なので、「耳は聞こえなくてもしゃべれはするんだろうから、しゃべったらええのに」と、一瞬ツッコミも入れたくなってしまいましたが、まあ、それは野暮でした。青羽には伝わらないだろうからこそ、手話で本音をぶつけたのでしょうね。

 そんな役としての苦しく切ない心境も、ちゃんと見ている側に届くような熱演ぶりでした。ずっと我慢してきた複雑かつ切ない感情が爆発して、身体の中心から溢れ出てきてしまった感じが、抑えられない息づかいや、身体のこわばり……というのは、手話をする手を見ていただくとわかりやすいのですが、めちゃくちゃ筋張ってるんですね。どんだけ力んじゃってるの、という。

 それも、手だけに力を入れているような筋肉の使い方はしていなくて、内側(胴体のほう)から筋肉が強張っているので、身体の奥から感情が沸き上がってきているのがわかるのです。

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