秋篠宮家44億円新居に「現代のベルサイユ宮殿」批判、庶民感情を逆撫で
#週刊誌スクープ大賞
アントニオ猪木の引退式、病患い現れたモハメド・アリとの友情逸話
今週の第1位は、プロレスファンのアイドルであり、あまりにも有名であり過ぎたため、その女性関係や、カネに対するルーズさなどで多くの批判を受けた、アントニオ猪木が亡くなったことについてまとめた文春と新潮の特集に捧げる。
英雄か稀代のトリックスターか。棺を覆っても定まることはない男の、破天荒な生き方を振り返ってみよう。
アントニオ猪木(本名猪木寛至)が亡くなった。享年79。週刊誌には「燃える闘魂永遠に」「栄光と虚栄のトリックスター」などの言葉が並ぶ。
私の世代は、駅前の街頭テレビで、空手チョップを最後の武器に闘う力道山のプロレスを興奮して観た。
だが、力道山が暴力団員に刺されて亡くなってから、プロレスに対する興味を失い、たまにジャイアント馬場やアントニオ猪木の試合をテレビで観るぐらいだった。
だが、モハメド・アリとの格闘技戦は、テレビの前で釘付けになって観た。寝たままの猪木の周りをアリが周回するだけの超凡戦だったが、真剣勝負という雰囲気は伝わってきた。
今週の文春が、当時のアリの肉声が残っている録音テープを入手したと報じている。
<私が猪木や彼のマネージャー、全ての関係者に伝えたいのは――>
テープが吹き込まれた時期は、試合の条件交渉中の1975年頃。アリ本人が試合へのスタンスを語ったものだ。
アリはこう話しているという。
「もし私が猪木を手加減して殴った上で、彼が怪我をしたフリをしたり、私が腕を捻られて怪我をしたフリをしたとしたら、これはリアルではないとバレてしまうだろう。私はそれには関わることができない」
アリは仕組まれた試合はしないといっている。もし、「エキシビションマッチ(公式記録としない公開演技)」であるならば、事前に周知すべきだと繰り返し語り、猪木と自分がテレビカメラの前で、そのことを話すべきだとも提案しているという。
そして、アリは真剣勝負が行われた場合は、何が起こるかについても、こう語っていたようだ。
「もしリアルにやるとすれば、猪木は殴られないように床に寝転ぶだろうし、私はレスラーじゃないから伏せてレスリングをするつもりはない。彼はボクサーに勝てなかったからといって恥じることはない。私はレスラーに勝てなかったからといって恥じることはない。それだけのことだ」
あの試合は真剣勝負だった。それが証拠に、「中盤、アリの左ジャブが猪木さんの頭をかすめただけで、みるみる膨れ上がって、大きなコブになりました。一方、猪木さんのキックを防ぎ続けたかに見えたアリは、膝の裏の血栓症のため入院した。ヘビー級王者のパンチ、プロレスラーのキック、その威力を思い知らされた試合です」と、前新日本プリレス・ドクターの富塚孝がいっている。
この試合をして以降、アリと猪木との間に友情が生まれ、猪木の引退式にはパーキンソン病を患っていたアリが姿を見せた。もし、お互い合意のやらせ試合だったら、二度と会うことはなかったのではないか。猪木の真剣さがアリに伝わったから、男同士、格闘家同士、わかり合えるものがあったのだろう。
では、猪木という人間は、スポーツマンシップをすべての分野で発揮したかというと、そうではなかったという声が多いようだ。
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