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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 『喜劇 愛妻物語』水川あさみの役者魂
宮下かな子と観るキネマのスタアたち47

『喜劇 愛妻物語』役作りのため増量した水川あさみのお尻の肉感…その役者魂に感服

夫婦のセリフのやりとりが全て滑稽、笑い泣きできる愛しい作品

『喜劇 愛妻物語』役作りのため増量した水川あさみのお尻の肉感…その役者魂に感服の画像2
宮下かな子(写真/Kyogo Hidaka)

 そんな毒舌妻に毎日罵倒され続けていたら普通、肩身の狭さに気が引けてしまうはずなのに、なんと豪太は少しもダメージをくらわないのです。 なんだこの呆れるアホさ加減と図太さは! と、こちらまで苛ついてくるヘラヘラした夫を、抜群に演じる濱田岳さん。強っ!

「仕事はどう?」と聞かれ「ぼちぼちです~」という返答のチョイスだったり、「しっかりしなさいよ」といまだに家族から言われている私からすると、 2年前に映画館で観た時よりも、ドギマギしてしまったのですが笑) 。

 そんな私からみても、ここまでだとさすがに見捨てられちゃうでしょ~なんて思うダメ夫加減ですが、本当は、豪太の才能を誰よりも信じてあげているのがチカなんですよね。愛があって。「息すんな! 死ね!」まで言っちゃってて、普段は愛の欠片も感じないけど、時折ぶっきらぼうにもそういう想いが感じられる要素が散りばめられていて。その匙加減もリアルでたまらんのです。

 夫婦のセリフのやりとりが全て滑稽で、映画館でも笑いが起きるくらいどの場面も最高なのですが、ラストに、家族が泣きながら笑って怒って抱き合ってる大好きなシーンがあります。そこは何度観ても、可笑しくって情けなくってあったかくて悲しくって人間味があって、つられて一緒に笑い泣きしちゃう。そこに、人生の全てが詰め込まれているように感じて、愛しくなるんですよね。

 人生うまくいかないことのほうが多いし、苦しいこともあるけれど。人はきっと、誰かを愛することは止めないし、誰かの愛を感じるからこそ生きていけるんだよな、と思います。

 傍にいる大切な人を想う愛も、はたまた名前も顔も分からない人の心配りにふと感じる愛も。いろんなあたたかい愛の形があるからこそ、人はみんな〝もう明日Happy Tomorrow〟出来ているんだなぁと思うと、本当人間って尊い生き物ですよね。

 終始罵声が飛び交う作品なのにも関わらず、不思議と笑顔になれる、前向きになれる作品です。

 これを読んでくださった方が、〝もう明日Happy Tomorrow〟になれますように~!そう願っています!

 

 

宮下かな子(俳優)

1995年7月14日、福島県生まれ。舞台『転校生』オーディションで抜擢され、その後も映画『ブレイブ -群青戦記-』(東宝)やドラマ『最愛』(TBS)、日本民放連盟賞ドラマ『チャンネルはそのまま!』(HTB)などに出演。現在「SOMPOケア」、「ソニー銀行」、「雪印メグミルク プルーンFe」、「コーエーテクモゲームス 三國志 覇道 」のCMに出演中。趣味は読書、イラストを描くこと。Twitter〈@miyashitakanako〉Instagram〈miya_kanako〉

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【アミューズWEBサイト公式プロフィール】

みやしたかなこ

最終更新:2023/02/22 11:27
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