『キングオブコント2022』ビスブラ優勝、ニッポンの社長「暗転」など大阪勢残した爪痕
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ニッポンの社長・辻「暗転を使う良さがある」に感じた矜持
3年連続決勝へと進出し、優勝候補の最有力にも挙げられていたニッポンの社長は10位に終わった。辻は、『キングオブコント2022 生・大反省会』(Paravi)で「悔しさはない。(2本目のネタを)やりたかったけど、いろんな世界線を見たときに今日はひとつも(可能性が)なかった」ときっぱり言い切った。
ただニッ社はネタを通して、今大会最大のトピックスと言っても良い「暗転問題」を投げかけた。ニッ社が披露したのは、博士がひとりの若者に「世界を救ってくれないか」と持ちかけながらも、事情が変わって「やっぱりエエわ」と断るというコント。そういったやりとりを、セリフや状況を変えながら繰り返していくのだが、その展開の切り替えとして「暗転」を活用した。
ただ暗転の多さが審査員には引っかかったようで、松本人志は「暗転をたくさん使うコントは難しい。どのパターンでくるのか、先回りしてしまう。それを超えてこなかった」とコメント。松本としては今大会でもっとも低い90点をつけた。
なぜ「暗転」が審査員に受け入れられなかったのか。そのヒントは、ニッ社の次に登場した最高の人間のコントに対する、小峠英二(バイきんぐ)の審査員評にある。最高の人間も回想シーンで暗転を多用したが、小峠は「猟奇的な展開がおもしろいけど、暗転の照明の使い方が連続して、いき切れなかった」と、暗転によっておもしろさが途切れ途切れになったと話した。
つまり暗転によって展開が細切れになってしまい、観る者の気持ちまで切ってしまう可能性があるというのだ。ニッ社のネタを観た審査員・山内健司(かまいたち)は「暗転をはさむからショートコントっぽくなる。単発でくるなら、もっと爆発的にウケてかきまわしてほしかった」と暗転で流れが途切れるからこそ、よほどのことがないと難しいのではないかと口にした。
ただそれらのコメントを受け、司会の浜田雅功(ダウンタウン)が審査員に向けて「そうじゃないよって思う人」と反論を求めたとき、辻が手を挙げて「暗転を使う良さもあると思うんです」と意見したところに、気持ちが熱くなった。自分たちのネタや演出に対する矜持が感じられたからだ。ニッ社にはこれからも暗転を使っておもしろいコントを作り続けてほしいし、なんなら暗転をより多用したネタで『キングオブコント』を獲ってもらいたいと思った。
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