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快挙か暴挙か? 散歩番組の極北『パンサー尾形の竹馬散歩』が攻めすぎている

快挙か暴挙か? 散歩番組の極北『パンサー尾形の竹馬散歩』が攻めすぎているの画像1
『パンサー尾形の竹馬散歩』(TOKYO MX)公式サイトより

 散歩番組――『ちい散歩』(テレビ朝日系)や『モヤモヤさまぁ~ず2』(テレビ東京系)の成功により、次々と類似番組が誕生し、定着したテレビ界のひとつのジャンルだ。
 
 この10月の改編でも、麒麟・川島明、オードリー春日俊彰、中山秀征、落語家・桂宮治らの散歩番組がスタートし、もはや飽和状態ギリギリだが、過激なチャレンジをしているのが東京ローカルのTOKYO MXだ。

 散歩をするのは、パンサー尾形貴弘。一見、肉体派芸人と散歩の相性は悪そうだが、“体を張った散歩”という新境地を開拓しているのだ。

「これまで不定期で3回放送された『パンサー尾形の竹馬散歩』は、番組名からもおわかりのように、尾形が竹馬で散歩をする番組。スタッフからは『なぜ竹馬か?』という説明もなく、竹馬に乗る必然性は不明ですが、とにかく尾形はこれに乗って、商店街を応援するというテーマになっています。

 尾形は別に竹馬が得意とか趣味とかいうわけでもないですが、ただただ乗るしかない。しかも『竹馬から降りたら罰金1000円』というルールも存在します(第1回のみ)。散歩番組の王道である店舗訪問、グルメの堪能、通りすがりの人々との出会いをメインに進めつつ、竹馬を使ったギャグをひねり出したり、竹馬に乗ったまま記念撮影に応じたりと、竹馬散歩ならではの独自色も盛り込まれています」(テレビ情報誌記者)

 本人も「攻めすぎですって!」(第1回)、「よく第2回ありましたね!」(第2回)、「(横断歩道で転んで)ムリだろこれ!」(第3回)と叫ぶしかない竹馬散歩。だが、尾形によれば芸人仲間の間では話題になっているそうで、ロンブーの淳は「出たい」と言ったとか。型破りの企画を成立させているのは、何物でもない尾形の芸人力だ。

「パンサーが出始めた頃は、尾形は“勢いだけのヤツ”というレッテルを貼られかけましたが、リアクションの良さやスベリ芸が徐々に評価されるようになり、『水曜日のダウンタウン』(TBS系)や『有吉の壁』(日本テレビ系)など、高視聴率番組にも引っ張りだこ。ドッキリ企画には欠かせない存在です。

 奇跡が起きる、ないしは起こすことができるのも尾形のストロングポイント。『竹馬散歩』でも、尾形のモノマネをするものまね芸人にばったりと出くわしたり、レスリングの元日本代表に出会ってジムで“竹馬レスリング“で対決したり、テニスのダブルスに挑戦した際には、味方のサーブが体を直撃したりといったミラクルを連発。このあたりは出川哲朗に通じる部分もあります」(お笑いライター)

 10月10日には第4弾の放送が決まった『竹馬散歩』。バラエティ番組の制作関係者は、「散歩番組はまだまだ増える」と予測する。

「当初は“埋め草”のような形で始まった散歩番組ですが、気づけば有吉弘行、タモリ、笑福亭鶴瓶、マツコ・デラックスなど、芸能界のトップオブトップの面々が次々と散歩番組に挑戦。もはや明石家さんまやダウンタウンが進出してもなんら不思議ではありません。

 散歩番組は制作費が安く上がりますし、若者から中高年層まで幅広くチャンネルを合わせてくれるので、コストパフォーマンスは抜群。裏方は事前のロケハン、カメラに映り込んだ人の許可取り、店舗の撮影許可、街貼りポスターや看板のモザイク処理など、非常に手間が掛かりますが、タレントは事前の準備が不要で、スケジュールもいくらでも融通が利くので、嫌がる人はいません。

 ただ、トーク力がない人がやればただ“ダラダラ散歩している”だけになりますし、素人イジりが下手だと好感度は一気に下がります。そういう意味では、突拍子もなく見える竹馬散歩は、会話の取っ掛かりとして成立しているのかも。今度はこれをマネする番組が出てくるかも?」(民放バラエティ番組制作関係者)

 散歩番組や旅バラエティ番組で、テレビ欄が埋まる日は近い?

 

木村之男(芸能記者、TVウォッチャー)

1972年生まれ、東京都出身。大学時代にライターとして活動し始め、出版社~編集プロダクションを経てフリーに。芸能・カルチャー・テレビ・広告業界などに精通する。趣味はテレビに映った場所を探し出して、そこに行くこと。

きむら

最終更新:2022/10/24 02:33
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