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GAG福井の『ひくねとチャンネル』

GAG福井「マクドナルドを食べる」だけの動画を延々と見られるエンタメに仕上げる

GAG福井「マクドナルドを食べる」だけの動画を延々と見られるエンタメに仕上げるの画像1
GAG 吉本興業 公式サイトより

「おもしろいものを作る」を目標に日々切磋琢磨している若手芸人。当然彼らが同業者のYouTubeを見るとき、その目線は厳しくなる。そんな芸人間で流行る動画は、掛け値なしにおもしろいと言っていい。この企画は現役の芸人をゲストに呼び、「最近芸人が一番笑ったYouTube動画」を紹介してもらう対談企画である。

 今回のプレゼンターは芸歴9年目、月光トランポリンの佐野雄飛さん。

GAG福井の『ひくねとチャンネル』学生ノリを芸人のレベルで行うとこうもかわる!?

佐野 ぼくが一番笑った動画は、「GAG福井の『ひくねとチャンネル』」の「マクド部シリーズ」です!

ゴリラ 分かる! これはずっと見てしまう動画だよね!

佐野 これは「GAG」の福井さんが、個人で行ってるYouTubeチャンネルのメイン企画です。マクドナルド好きな福井さんが、「劇場出番の合間に近しい芸人と一緒にマクドナルドに行き、買い物をし、戻ってきて食べる」までがワンセット。「マクド部という部活」というミニコント設定で、登場する芸人にも各々キャラがついています。

ゴリラ この動画シリーズの魅力は、「展開の笑い」だよね。あまり他のチャンネルでは見る事が出来ない笑い。

佐野 そうですね!普通はシリーズ企画とはいえ、動画の笑いどころとなる部分は、ボケや例えツッコミに代表される「大喜利的な笑い」。逆にいうとそれは「その場限りの笑い」とも言えると思うんですけど。ただこの「マクド部」シリーズが主軸に据えているのは「展開の笑い」。シリーズとして回を重ねながら、人間関係や信頼関係の変化、新入部員が加入する事による関係性の変容などを入れ込む事で、さながら海外ドラマのように、回を追うごとに面白さが増していきます。

ゴリラ 「大喜利的な笑い」はその場の爆発力があるけど、一過性のものが多いもんね。逆に「展開の笑い」は、その関係性の変容がどんどんレイヤーのように積み重なっていくから、序盤数話見たら次の回を見たくなってしまうような、中毒性が高い動画に仕上がっていく。

佐野 そしてその展開を「何となく」の感じで、その場で作ってる所も魅力なんですよね。動画全般を通して絶妙にユルいけど、ボケや返しはハイレベル。学生ノリを芸人のレベルで行っている感じがして、親近感と超俗性が同居しているんですよね。

ゴリラ 動画内で見せる福井さんのボケ方も、「展開性」が高いんだよね。大喜利的な発想でスパッと切り落とすボケを併用しながらも、自身の「思考」と「人間性」をブツけて、相手の反応を伺う手法を取っている。そうして返ってきた反応を福井さんの視点から解説し、相手の人間性の輪郭を徐々に視聴者に伝える。こうして各々のスタンスを明瞭にした所でディスカッションを繰り返す事で、徐々に関係性に変化を起こしていく。そうして一過性ではない、後へ引き続く笑いを作り上げてるんだよね。

佐野 福井さんの、種火を燃え上がらせるようなトーク回しも凄いですよね。人間関係や信頼関係の変化を起こす口火を切るのは基本福井さんなんですけど、きっかけはいつも些細な出来事で、相手も絶対に現在の関係性を壊しにいっていない状況なんですよね。ただそこで出た本音に対する違和感を福井さんが捕まえて、どんどん広げていく。同じメンバーで動画を撮っても、仕切りが福井さん以外だとこういう動画にはならないはず。

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