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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 「オオカミ投票」脱落はまさかの…
『オオカミちゃんとオオカミくんには騙されない』8話レビュー

『#オオカミちゃんくん』8話「オオカミ投票」脱落はまさかの…恋愛は時間じゃない、タイミング。

【4人目】ひびき

 残すは、ひびきりおの2人。

 白い花火があがるたび、嬉しいけれど、この中の誰かが脱落することに変わりはない。じりじりと迫ってくる悲しみ。もうこの時点で、メンバーたちは泣いていた。次の花火で、どちらが脱落するのかわかってしまう。もう押さえ込むことができない感情。

 4人目。ひびきが無言で前に出た。

 夜空に花火が昇っていく。全員が息をのんで見上げる。

――打ち上がったのは……赤い花火だった。

 

 まさかの結果に、メンバー全員の涙が止まらない。

 息もできないような、嗚咽、悲鳴、大号泣。大きな悲しみが押しよせてくる。その中で、ひびきだけが泣かなかった。一番悲しいはずなのに。

 

ひびき「ごめん」

 ひびきが悪いわけじゃないのに、この言葉。優しさがにじみ出ている。

 みんなの号泣、言葉にもできない想い。特に男子メンバーの感情が爆発していた。歴代でも、ここまで男子メンバーの大号泣はあっただろうか? それほどひびきはメンバーから慕われて、愛されたリーダーなのだ。

 

ひびき「みんなありがとう」

 一人ひとり、言葉を交わしていく。とりわけ仲の良かったのせりんの前に立った時、我慢していたひびきの涙が溢れ出した。キラキラと光る涙。ひびきだってみんなと離れたくはない。でも、離れなくちゃいけない。なんて切ないんだ! 胸が痛い。いよいよ、別れの時がきてしまった。

 

ひびき「本当に出会えてよかった。また会いたいなって思います。みんなと一緒にたくさん作業したかったし、もっと一緒にいたかった。ありがとう」

 しおりは、最後まで涙が止まらなかった。

 最初は兄妹のような関係だったひびきとしおり。第5話では、ひびきはななが、しおりはりおが好きで、“同盟”を組んでいたことさえあった。けれどななにひびきが盛大にフラれ、りおはしおりと向き合おうとしていたものの、タイミングが合わず。いつの間にかひびきとしおりは、偶然のタイミングも手伝って、惹かれ合っていった。

 キューブを受け取った時も、ひびきは一番ににしおりを誘って確認。

 

ひびき「赤く光る覚悟はできてた。でも、落ちる覚悟は全然できてない」

しおり「ひびきが落ちる覚悟ができてない、まだ」

ひびき「大丈夫、落ちないから。しおりがいるから落ちたくない」

 まだ脱落するなんてわからない未来。今見ると、余計に切ない。

 赤い手紙を読むひびき。

 

「視聴者投票の結果、あなたは本日をもって脱落となります。最後に想いを伝えたい女子1名を指名し、2人きりで過ごすことができます」

 シンデレラタイムに選んだのは、しおりだ。しおりはひびきに迷わずハグ。ひびきは涙のしおりを優しく包みこんだ。

ひびきとしおり、最後のシンデレラタイム

 

ひびき「会いたいな、みんなに」

しおり「戻ってきてよ」

ひびき「もちろん」

 遊園地で2人だけの時間を楽しむ。

 

しおり「もっと思い出作りたかった」 ひびき「早かった」

 まだまだ時間が足りない。でも別れの時は近づいてくる。

 しおりに内緒で、手持ち花火を用意していたひびき。夜に線香花火が映える。楽しいはずなのに、どこか切ない花火。これが終わる頃には、ひびきがいなくなってしまう。

 

ひびき「しっかりさぁ、自分の気持ち伝えたことないよね」

 頷くしおり。

 

ひびき「『太陽LINE』の時も伝えれずにはいたけど、めっちゃ好き。一番最後に、2人で過ごせてよかったなぁって」

しおり「もう1回言って!」

「約束」。ひびきがそう言って、指切りを交わす。

 するとしおりがひびきの手を取り、そのまま握った。恋人つなぎ。

 

しおり「しおりも、最後になっちゃったけど、大好きだよ」

ひびき「大好き」

 お互いにまっすぐ気持ちを伝え合い、両想いになったひびきとしおり。

 

ひびき「だから待っててほしい」

 最後に2人は、別れを惜しむような長いハグ。

 

ひびき「また」

しおり「待ってる」

 完全に恋人の距離感だ。

 

しおり「もう泣かないよ。笑顔で見送るもん」

ひびき「またね」

 せっかく両想いになったのに、もうお別れなんて。ひびきと明日からもう会えない。手を振るしおり。最後までじっと、ひびきの背中を見送る。

 この2人を見ていると、恋愛に時間なんて関係ないとすら思える。6話~8話という短い期間でも、急速に恋を温めていった。第7話の「太陽LINE」で、りおがしおりとひびきのデートに参加しなかったことで、2人の恋愛は誰にも入り込めないまでに成長していたのだ。

 恋ってタイミングが大事だと、『オオカミちゃんくん』を見ていると痛感する。そして、好きだと伝える積極性。りおのように謙虚な優しさを、多くの人は見逃してしまう。逆に、にのんは遠慮をやめて、好きな人に本音を伝えたから、はるとの恋が走り出した。わかりやすい愛をほしがる人は、意外と多い。うーん、恋って難しいですね。

 

視聴者投票の結果

ひびき脱落。

 今回のオオカミ投票結果は、本当に予想外だった。それぞれ見る角度が違うから、視聴者投票ってわからない。今回わかったことは、みんなの深い絆と団結力。誰1人、欠けちゃいけない10人。

 ちなみに、花火の5人目に残っていたりお。りおはしおりを誘わず、キューブの確認も1人きりだった。赤く光るキューブに、胸が締めつけられる。たぶん、りおはひびきに遠慮したんじゃないだろうか。2人の関係を壊しちゃいけないと思って。

 優しすぎるりおは、1歩どころじゃない、3歩も4歩も後ろに下がってしまう。自分の気持ちより相手を優先。本当にそれでいいんだろうか?

 どうかりおに幸せになってほしい。しおりが1人になっても、 りおはひびきに悪いと思って動かない可能性がある。 そこに割り込んだら申し訳ない精神があるから。 たとえりおがしおりを好きだとしても。これからもっと、 りおにとって切ない恋が始まるかもしれない。

 

<今週のオオカミ予想>

にのん、うい、まだどちらか決め切れなくて、ハッキリしていないはる。にのんに心が惹かれているように見えるのに、ういもキープしているようで不自然だ。もしかして、オオカミだからまだ決めたくない? 決められない? 

 

最終更新:2022/10/09 09:00
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