相葉雅紀『“それ”がいる森』映画サイト軒並み酷評が「嘘だろ!?」な面白さ
#嵐 #ヒナタカ
9月30日より相葉雅紀主演のホラー映画『“それ”がいる森』が公開中だ。初めに言っておくと、本作の全体的な評価は決して芳しくない。というより、口を極めて罵っている人も多い状況だ。実際に10月上旬現在、映画.comでは2.6点、Filmarks2.5点などと、レビューサイトの点数はかなり厳しい。
映画.com
https://eiga.com/movie/96728
Filmarks
https://filmarks.com/movies/102410
だが、実際に筆者が観たところ「めちゃくちゃ面白いじゃないか!」「超楽しいじゃん!」と大満足できた。いや、本作を酷評する人の気持ちも、後述する理由でとてもよくわかる。だが、見方を変えればエンターテインメントとしては十分ちゃんとしている、憎めないキュートな作品だと思うのだ。
そして、本作はいわゆる「ネタバレ厳禁」な内容でもある。それはラストのどんでん返しではなく、映画全編のいちばんの特徴かつ魅力で、一方で困惑する人もいる大きな理由でもある。それが、公式サイトや予告編などでは完全に隠されているのである。
この「公式がわざわざ隠してくれる」試みに、ぜひ観客も乗ってあげるべきだろう。それは悪意のある裏切りなどではなく、「サプライズも含めて楽しんでいってね!」という気概そのものなのだから。ここでもそのネタバレ厳禁要素を隠しつつ、「こう認識すれば楽しめると思うよ!」なポイントを記していこう。
『大怪獣のあとしまつ』とは全く違う
作品を観た上であれば、どんな意見があっても良いとは思うものの、先にどうしてもこれだけは反論しておきたいことがある。それは、この2022年において悪い意味で伝説と化した映画『大怪獣のあとしまつ』と「どっちがひどいか」などと比較して語られていることである。いや、確かに「予告編と本編の印象が異なる」という点では共通しているかもしれないが、実際の両者の特徴はぜんぜん違う!
『大怪獣のあとしまつ』は短絡的なギャグを無尽蔵に入れ込み、巨大怪獣ものやその他もろもろを批評的にみる、いや正統派なエンタメを否定していくような、監督自身が「出オチのような映画」とさえ言うとんでもない内容であり、それを持って唯一無二の作品だった。
対して『“それ”がいる森』は、後述するようにホラー映画の定石はむしろ丁寧なほどに踏襲している、王道とも言ってもいい作劇がされている。さらに終盤には見た目にも派手な展開があるし、何より後述する理由で下手なコメディ映画よりも笑える。何より(ネタバレ厳禁の)題材に対しては真摯に向き合っているし、観客に楽しんでもらおうとする気概が十二分に見受けられる。『大怪獣のあとしまつ』と比べるような内容ではないのだ。
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