マックのハッピーセットも予算オーバー! 外食も続々値上げでサラリーマンランチ地獄
#社会 #マクドナルド #労働
9月30日、普段のように近所の大型スーパーに出かけた東京都足立区の主婦・Yさんは、我が目を疑った。スーパーに入るとレジには長蛇の列が出来ており、誰もが皆、とんでもない量の買い物をしようと列に並んでいる。何事かと思いながら店内を巡ると、事情はすぐに判明した。
「翌日からビールが値上がりするので、買いだめする人が店に殺到したのです。誰もがケース買いをしていて、中には複数のカートに10ケース近くのビールを積み上げている人も……。閉店まではかなり時間がありましたが、ビールコーナーの棚はガラガラでした」(Yさん)
ビールメーカー各社は10月1日から、ビール系飲料の1割近くの値上げを実施。このほかチーズ、マヨネーズ、ハム、ソーセージ、スパゲッティなど、値上げラッシュはとどまるところを知らず、庶民の味方であるはずのチェーン店も相次いで値上げに踏み切った。
「10月1日から吉野家は、牛丼の並盛りを20円値上げして448円にしました。昨年10月にも値上げしており、1年で15%上がった計算になります。一方、マクドナルドもハンバーガーを130円から150円に値上げしました。このほか、はなまるうどんは、かけ(小)を240円から270円、かけ(中)360円から400円に。くら寿司やスシローは1皿100円をやめ、くら寿司は115円、スシローは120円に、ガストやバーミヤンも平均5%値上げします」(週刊誌産業部記者)
値上げの背景には、原材料や原油価格の高騰、円安などさまざまな要因があり、企業努力だけではカバーしきれないことはわかる。しかし、高度経済成長期のように値上げに呼応して給与が上がるならまだしも、賃金は一向に上がらない。値上げ後初めての出勤日となった10月3日のランチタイムには、ネットに、
「吉野家また値上げかよ 毎年値上げしてんな」
「マックのランチも値上げしてた」
「はなまる結構値上げしたのな」
……といった声が溢れた。
マネー誌記者は、サラリーマンたちが置かれた厳しい状況についてこう語る。
「日本の賃金が30年近くもほとんど上昇していないことはしばしば話題になりますが、ランチ事情を調べるといよいよ絶望的。サラリーマンの1回あたりの昼食代は、1979年の565円に対し、2019年が555円ですから、物価上昇分も考えれば食事内容は完全に貧しくなっています。ある調査によれば、30代のサラリーマンの5割以上が、1回のランチ代は500円未満と答えています。
2000年代に入り、企業は過激なまでに庶民に寄り添い、牛丼チェーンでは価格戦争が勃発して、牛丼1杯300円前後に。マクドナルドのハンバーガーは59円だった時代もありました。しかし牛丼は今や500円も目前。マクドナルドのハッピーセット(チーズバーガー、ナゲットなど)も520円に上がりました。これでは30代サラリーマンの半数以上は、吉野家で牛丼を食べたら食後に缶コーヒーも買えませんし、ハッピーセットは完全に予算オーバーです」(マネー誌記者)
リモートワークやお弁当で対応できる人はいいが、ランチは外食に頼らざるを得ない人は多いはず。前出の週刊誌記者はこう話す。
「10月から各社とも一斉に値上げに踏み切りましたが、これはまだまだ序の口。穀物価格や燃料費はまだ上がりそうですし、ガス代や電気料金が上がれば、それらはすべて価格に転嫁される。食糧費や光熱費、ガソリン代などはまだ上がると考えておいたほうがいいでしょう」(前出・週刊誌記者)
今年は“極寒の冬”になるのは間違いなさそうだ。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事