『ガキ使』D-1グランプリが、身内ノリにならずに思いの外力作ネタだらけに!
#ダウンタウン #檜山豊
日本テレビ系で放送されている『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』では今、「~松本人志生誕59年&ダウンタウン40周年記念~ネタで感謝を伝えたい!おめでとうD-1グランプリ!!」と題して、ダウンタウンに憧れる芸人たちが、その愛を詰め込んだネタを披露するという企画が18日から3週連続で放送されている。
出場している芸人はココリコ&陣内智則、ZAZY、月亭方正&たむらけんじ、どぶろっく、とろサーモン、ナイツ、錦鯉、ハリウッドザコシショウ&くっきー!、FUJIWARA、マヂカルラブリー、ランジャタイ(五十音順)というユニットを含めた11組が参加し、ダウンタウンさんの為にネタを書きおろし、新ネタを披露。
今回はこの企画を元芸人目線で分析し、軽掘りしていく。
この企画は一見するとバラエティ番組では良く見る、ありふれた企画のひとつに見えてしまうのだが、実は妙妙たる部分がいくつかある。
まずは参加メンバーの顔ぶれがかなり凄いこと。
正直、今をときめく芸人ばかり参加しているというわけではないが、月亭方正さんとココリコさんのレギュラーメンバーを除くと、コンテンストで優勝、もしくはファイナリストになった経験があったり、くっきー!さんやFUJIWARAさんのように、芸人からもリスペクトされている面子が居たりと、世代を越えてネタに定評がある面子が集められている。
さらに良いのがネタのパターンだ。コンテストだとどうしても似たようなネタばかり集まってしまい、そのネタの質が合わないと最初から最後まで笑えないということもありえる。しかしこの「D-1グランプリ」に参加している面子は、ナイツや陣内さんのような王道ネタから、ハリウッドザコシショウやランジャタイのような異色ネタまで多種多様なジャンルが揃えられているので、最後まで笑えなかったということは恐らく無いだろう。これだけお笑いニーズを網羅して尚且つ、ネタ自体がきちんと面白いという面子が集まることはなかなか無い。それだけで見る価値ありだ。
そしてもうひとつ凄い所は、ダウンタウンさんへの愛をネタに詰め込むということで、それぞれが新ネタを作ったところ。
ネタというのは常に鮮度を求められる。しかしある一定の芸歴が過ぎると、そこまで新ネタを作り披露するということがなくなる。ベテランになればなるほど新ネタではなく、あまりテレビでやっていないネタをチョイスし披露するパターンが多い。
もちろん笑いは起こるのだが、やり慣れた感が出てしまい明らかに新鮮さに欠ける。
しかし今回は企画の趣旨が新ネタを前提とするものなので、その辺りのどうしても出てしまうマイナス要素が全くない。新ネタの為、台本の内容を忘れてしまうというハプニングはあったが、それはむしろお笑いにとってはプラス要素となっていた。
とろサーモンさんのように元々あったネタを使い、ダウンタウンさんを絡めないであえてそれ自体をボケにするというパターンもあったのだが、それでも過去に見たネタではなく、これから他の番組で見ることが出来ない、この番組の、この企画限定のネタというのはかなり貴重だ。
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