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『キングオブコント』になぜこだわるのか? おしみんまるの「これしかない悲しみ」

人生でいちばん興奮した瞬間をもう一度味わいたい

『キングオブコント』になぜこだわるのか? おしみんまるの「これしかない悲しみ」の画像5

――『キングオブコント』で活躍してきた中堅コント芸人が、近年『有吉の壁』(日テレ系)であらためて光を浴びています。押見さんも最近の変化を感じます?

おしみんまる コントというより、お笑い番組が増えてきて、お笑いが返ってきた感覚は芸人全体が共有しているんじゃないですか。『新しいカギ』(フジテレビ)のメンバーに入るのは大変だとしても、知名度ない若手がチャンスをもらえる番組がいくつかできて、芸人のモチベーションを高めている気はします。

 その中でもシソンヌは得してるなと思っていて。いわゆるコント師って、お堅く見られがちで、シソンヌも単独を活動の背骨にした「コント職人」というとんでもなく堅い仮面をかぶらされそうになっていた。それが『有吉の壁』で即興コントに近いことをやって、その他の一面も伝わったことで、柔らかく受け取られるようになりましたよね。コント師だって、コント以外にもいろいろやれたほうがいいわけで。

――押見さん自身のモチベーションはどうですか。中堅になると賞レースから離れていく芸人が多い中、まだ戦い続けていますが。

おしみんまる 人生で一番興奮したのが、『キングオブコント』ファイナリストの発表で名前を呼ばれた瞬間で、あれをもう一度味わいたいというのがモチベーションの源なんですよ。だから決勝に行ったことない芸人が芸歴を重ねて「もう賞レースはいいや」になるのはよくわかります。一方で優勝はしなくても決勝経験があって、賞レースから離れていく芸人は、大体器用ですよね。お笑い以外の武器を持っていて、別の仕事にも喜びを見出している。僕がまあないんですよ、趣味が。武器があれば全然別の仕事もやりたいのに、ないがゆえの悲しみというか。

――ブレなくてカッコいいじゃないですか。

おしみんまる いや、「これしかない」というのはワードとしてカッコいいですけど、本当にお笑いしかない。唯一の趣味が犯罪について調べることなんですよね。

――犯罪……?

おしみんまる 子どものころからテレビの公開捜査番組が好きで、その延長線上で行方不明のニュースや未解決事件に関心があって。ネットの情報をつい見ちゃうし、事件現場も気になるんですよ。

――それはお笑いと根っこでつながってるんですか。

おしみんまる 全く別ものだと思います。笑えないし、被害者の方もいるからお笑いにしちゃいけないし。そこもちゃんと理解しています。本当にお笑いと相性が悪いんです。

――確かに難しそうですね……。でも、押見さんを『いろはに千鳥』(テレビ埼玉)以外のバラエティでもぜひ見たいです。

おしみんまる 呼ばれたらなんでも出ますよ。僕は解散してピン芸人になってから、死なない限りなんでも仕事を受けようと決めていますから。

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■プロフィール

おしみんまる
1977年5月5日生まれ、新潟県出身。1998年、大学の同級生・いけや賢二と「犬の心」を結成。2014年に『キングオブコント』決勝初進出。2020年6月にコンビを解散し、ピン芸人に。現在は∞ホールのユースクラスに所属。
https://twitter.com/nijyuban
https://www.youtube.com/channel/UC0jt75j0ss_DBuzNhJOh5VQ

■末尾クレジット
編集=斎藤岬
撮影=向後真孝

鈴木工(ライター)

ライター。「Quick Japan」「芸人芸人芸人」などでお笑い芸人関連のインタビューや記事を執筆。また、「プレジデント」では編集を担当する。

Twitter:@7142128354249

すずきたくみ

最終更新:2022/10/08 11:00
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