『キングオブコント』になぜこだわるのか? おしみんまるの「これしかない悲しみ」
#キングオブコント #KOC2022を語ろう
かもめんたるとコロチキが象徴する“ウケるネタ”の変化
――昔と比べて『キングオブコント』の変化は感じますか。
おしみんまる 基本的に賞レースの準決勝はお笑い通やマニアが集まって、昔だと赤坂BLITZの客席がその層で埋め尽くされていたイメージなんです。でも今年出ていた芸人が、「準決勝の会場キャパがすごい大きくなって、ライト層が入ってきたように感じた」「お祭りっぽい雰囲気だった」と話してました。
そういえば、コットンが「予選でハマってる感じがずっと続いていた」とも言ってましたね。ポップでちょこちょこテレビにも出ているせいか、今までお客さんにお笑いファンが多い舞台だと、拒否反応を感じていたらしいんです。
――確かにお笑いマニアは、「コットンでそう簡単に笑わないぞ……」という空気を放ちますよね。
おしみんまる それが今年はなかったみたいで。もともとライト層も置いていかず、深いところも笑わせたいという思いでネタを頑張ってきたコンビなんで、その完成形が今年だったのかもしれませんね。予選だけでいったら、ポップな人、わかりやすい人が重視されているメンツのように感じましたし。
あと、変わったということでは、芸人審査のあるなしは大きいかもしれませんね。昔の『キングオブコント』の象徴がかもめんたる(2013年優勝)だと俺は思っているんです。一般の寄席でめちゃくちゃウケる感じではなくても、ストーリー性あるコントで深くえぐっていくスタイルが芸人審査では評価された。芸人審査がなくなって、よりテレビ的な芸人がウケるようになって、バカバカしいコントの割合が増えた気がします。
――にゃんこスターさんのような?
おしみんまる 俺の中では代表的な存在がコロチキ(2015年優勝)なんですよね。かもめんたるって、ディテールのよさもあって点数を稼いだと思うんです。それに対してコロチキのコントは卓球のルールしかり、ディテールがむちゃくちゃなんですよ。だけどそんなのを取っ払って、「バカバカしくて面白い」を評価してくれる審査員の方々だった。あと観覧のお客さんもライト層に近い感じだから、わかりやすくてバカバカしいコントが強くて、芝居がかったことをやると熱を下げちゃうというか。
それが何年か続いてきて、去年、空気階段や男性ブランコみたいにバカバカしさの中にストーリー性のあるコントが評価されましたよね。それで俺は昔の『キングオブコント』に戻ったように感じたんですよ。それは審査員が変わったからなのかな……。今、昔の芸人審査に参加していた芸人が審査員になってますもんね。
――そう言われると、芸人審査があった第一次『キングオブコント』に戻ったのかもしれませんね。
おしみんまる ただ、「ウケたもの勝ち」という軸は絶対的にブレないですね。お客さんや審査員によって、何がウケるかは多少の変化はしていくんでしょうけど。
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