『キングオブコント』になぜこだわるのか? おしみんまるの「これしかない悲しみ」
#キングオブコント #KOC2022を語ろう
“ユニット初の決勝進出”で先を越されて嫉妬
――今回の『キングオブコント』ファイナリストの顔ぶれを見て何を感じますか。ユニット「最高の人間」も残りました。
おしみんまる ユニット初の決勝進出として、僕らが行きたかったですねえ。だから最高の人間への嫉妬がすごいです。前のコンビで『キングオブコント』決勝に進出したとき、一緒にいったのが巨匠で、岡野に縁は感じていて。
最高の人間は1回戦から話題になっていたから、どこかのタイミングで、「同じユニットコンビのおしみん守谷まる日和もいいよ」と言われないかな~、準決勝まで進めばそうなるかな~と思っていて、結局届きませんでした。岡野と仕事することもあって、面白いことはよくわかってるんですよ。さらに今、芸人の間でもライブシーンでも岡野の評価が高くて、どこにいってもホームすぎるんじゃないかって、そこにも腹が立っています。振り返ると、巨匠が2年連続で『キングオブコント』の決勝にいったことも悔しかったし……。
――いろんな角度から嫉妬されてますね! 逆に嫉妬を感じないファイナリストはいるんですか。
おしみんまる 基本嫉妬してるんですけど、ニッポンの社長やロングコートダディの大阪勢は、自分がやってきたことと毛色が違いすぎて、楽しみのほうが強いですね。「それやられたか!」があんまりないんですよ。
僕は東京03さんに代表されるような、人間味で笑う――人間の滑稽さを笑うコントが好きでやってきたんです。でも、特にニッポンの社長はその部分を排除している。もちろん人間味もあるんですけど、ネタの8割9割を空気感や世界観に振っているというか。
――確かにすぐ銃を撃ったりして簡単に人が死ぬ印象ありますね。
おしみんまる 同じコントでも競技が違う感覚があるから、あまり敵対心が湧かなくて、楽しんで見られますね。
そういう意味では、かが屋は世に出始めたころ、本当にイヤでした。人間味で笑いをとるのって、東京03の角田さん然り、「ダサ面白い」ということだと思うんですよ。それがかが屋は人間で笑いをとってるのに、ダサさがあまりなくて面白いだけになっていることが悔しくて……。あと普通に考えて台本であげた時、最初の笑いも遅いし、「これでウケるのか?」と不安になりそうなネタじゃないですか。それをウケると信じられる感性も悔しかったですね。特段ぶっとんでることをやってるわけでなく、ちょっとしたボタンのかけ違いで面白いから、「ずりーなー!」と思ってました。
――どうしてファイナリストに残らないんだろう? という芸人はいます?
おしみんまる 準決勝を見てないんでなんとも言えないんですけど、ななまがりは圧倒的にウケていたとよく聞きますね。あと、サルゴリラ。児玉が演技力あって、わざと拙い感じでやってるのをお笑いフリークじゃないライト層が見ると、下手でミスってるように見られがちなんですよ。あいつらも「急に不安な目で見られることがある」と言ってたのが、今年の『キングオブコント』ではそれがなかったみたいで。児玉がそういう演技をするコントだと見られるようになったとしたら、そろそろ来るんじゃないかなという気がします。
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