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永野芽郁&奈緒、リアルに親友の2人が相手の存在を模索する『マイ・ブロークン・マリコ』

明確な答えを出すロードムービー

 考えても、考えても、もう遅い。そんな状況に立たされたトモヨがどんな行動をとるのか。本作は、それを見守る物語となっている。

 観客にとっても、冒頭ではマリコという存在が(奈緒独特の雰囲気を活かして)ミステリアスで謎に包まれた女性のように描かれているだけに、トモヨとの関係性がいまいち掴み切れない。

 ストーリーは、そんなマリコの過去や思い出をフラッシュバックさせながら、マリコがどんな人間であったのかを探求していく構造となっている。これはトモヨの視点ともリンクしていて、トモヨにとってもマリコという存在に確証が持てないもどかしさが、痛いほどに伝わってくる。

 そもそもマリコは親友であったのだろうか、親友とは何だろうか……。そんな答えの出ないものを探し求めるロードムービーだが、決してあやふやな答えのまま終わらせるのではなく、明確な答えを提示している。

 ある時に、そうしておけば、もっとこうしておけば……。そんなことを思って後悔したところで、時間が戻せるわけではない。ひとりの人間が死んでも容赦なく時間は流れ、記憶も思い出も薄れていってしまう中で、遺された者が、どう折り合いをつけて生きていくのか。そんな作品といえるだろう。

『マイ・ブロークン・マリコ』
9月30 日(金)より全国ロードショー

監督:タナダユキ
脚本:向井康介、タナダユキ
出演:永野芽郁、奈緒、窪田正孝、尾美としのり、吉田羊ほか
製作:映画『マイ・ブロークン・マリコ』製作委員会(ハピネットファントム・スタジオ/KADOKAWA/エキスプレス)
制作プロダクション:エキスプレス 制作協力:ツインズジャパン 配給:ハピネットファントム・スタジオ/KADOKAWA

 

バフィー吉川(映画ライター・インド映画研究家)

毎週10本以上の新作映画を鑑賞する映画評論家・映画ライター。映画サイト「Buffys Movie & Money!」を運営するほか、ウェブメディアで映画コラム執筆中。NHK『ABUソングフェスティバル』選曲・VTR監修。著書に『発掘!未公開映画研究所』(つむぎ書房/2021年)。

Twitter:@MovieBuffys

Buffys Movie & Money!

ばふぃーよしかわ

最終更新:2022/10/01 19:00
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