永野芽郁&奈緒、リアルに親友の2人が相手の存在を模索する『マイ・ブロークン・マリコ』
#映画 #永野芽郁 #奈緒
先日最終回を迎えたドラマ『ユニコーンに乗って』(TBS系)の主演も話題となり、11月には新作映画『母性』の公開を控える俳優・永野芽郁。彼女の新境地ともいえる映画『マイ・ブロークン・マリコ』が、9月30日から公開されている。
近年、映画に引っ張りだこの永野。『そして、バトンは渡された』(2021)では、母親不在の悲しさと寂しさを心に秘めながらも前向きに生きようとする主人公を演じ、『キネマの神様』(21)では、無鉄砲な主人公を陰ながら支える昭和の女性像を演じていた。ベテラン勢の演技が単調だった分、永野の瑞々しさがひときわ目立っていたのも印象深かった。
永野はこれまでにも、『地獄の花園』(21)のように、“裏の顔”としてヤンキー気質の持ち主を演じたことはあった。だが、ここまで全開にやさぐれ演技をしたのは初めてではないだろうか。『マイ・ブロークン・マリコ』での永野は、ボサボサの髪でタバコをふかす姿が新鮮だ。
共演は奈緒。ドラマ『あなたの番です』(日本テレビ系)での怪演が話題となり、『彼女来来』(21)や『君は永遠にそいつらより若い』(21)でも、“なんか怪しい”キャラクターを演じることが板についている奈緒にも注目してもらいたい。彼女のミステリアスさは今作でも健在だ。
永野と奈緒は、NHK朝ドラ『半分、青い。』で親友役として共演して以来、プライベートでも親友関係にあるそうだ。親友が突然、この世界からいなくなったとしたら……。実際の親友同士だからこそ、決して演技だけでは表現しきれないものを映し出すことに成功したのだろう。
【ストーリー】
ある日、ブラック企業勤めのシイノトモヨ(永野芽郁)を襲った衝撃的な事件。それは、親友のイカガワマリコ(奈緒)がマンションから転落死したという報せだった――。彼女の死を受け入れられないまま茫然自失とするシイノだったが、大切なダチの遺骨が毒親の手に渡ったと知り、居ても立っても居られず行動を開始。包丁を片手に単身“敵地”へと乗り込み、マリコの遺骨を奪取する。幼い頃から父親や恋人に暴力を振るわれ、人生を奪われ続けた親友に自分ができることはないのか…。シイノがたどり着いた答えは、学生時代にマリコが行きたがっていた海へと彼女の遺骨を連れていくことだった。道中で出会った男・マキオ(窪田正孝)も巻き込み、最初で最後の“二人旅”がいま、始まる……。
マリコは本当に親友だったのだろうか?
親友の定義とは何だろうか……。そんなものは存在しない。
いつもそこにいると思っていた存在が、突然いなくなってしまう悲しさや喪失感を描いた作品は数多く存在しているが、今作が特徴的であるのは、主人公のトモヨ(永野芽郁)は、自殺してしまったマリコ(奈緒)が“親友”と言える確証を持ち切れずにいる状態ということだ。
親からの暴力、恋人からの抑圧、いくつものヘルプサインがあったはずなのに、それを見逃してきてしまった。厄介に思って真剣に考えてあげていなかったのではないだろうか。何より、マリコが自殺したのは自分のせいではないだろうか……。
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