爪切男VSベッド・イン 風俗とバブルに狂い咲く男と女、“人間賛歌”の延長戦!
#本 #インタビュー
思春期に抑圧された人間たちは、大人になって狂い咲きサンダーロード
爪:学生時代から、クラスで目立たない女子がいても、頭の中で勝手に髪型を変えてみたり、ずっと観察してちょっとしたチャームポイントを探して、あれっ、この子意外と可愛いじゃん、とか妄想していました。こういう発想に、天性の女好きが合わさったもんだから、今こうなっちゃってるわけですけど(笑)。
中尊寺:でも、自分の学生時代を振り返ると、そういう考え方をしてくれている男子生徒もいたんだってことに感動しちゃいます。実はわたしも、いわゆるいじめられっ子だったので。
益子寺:わっかるぅ~! 私も今やこうしてタカビーにボディコン着てますけど、ガラスの十代の頃はコンプレックスと劣等感だらけな少女時代を過ごしていたから、当時の自分に聞かせてあげたいわ! 爪さんみたいな男子もいるからダイジョーブイだよ、安心パパしてって!
爪:僕は昔から周囲に“悪人”を作ってこなかったんですよね。思春期の憎悪とか嫌悪が、全て親父に向かっていたから。今思うと、親父が全部引き受けてくれたってことなのかもしれない。そういうマイナスの感情が外の世界や他人に向かなくて良かったって思いますね。
中尊寺:私たちもだし、爪さんもそうだけど、学生時代にそういう生きづらさを抱えて抑圧されてた人って、遅咲きというか、大人になって狂い咲くようなイメージがありますよね。
益子寺:欲望が解放されるというかね。学生時代に「自分は本当はこう生きたい」って妄想も繰り返してきたから、いざ大人になったら狂い咲きサンダーロードをひた走っちゃうのかもネ!それでヤリ過ぎたのが今のベッド・インです(笑)。
爪:でも、僕は今、日々負け戦のような感覚で生きてますよ。本がもっと売れて欲しいけど、僕の本がベストセラーになったりしたら、それは日本がおかしくなっているってことですから。
ただ、コロナみたいな非常事態になってから気づいたんですけど、真面目な人って、少しでも道から外れるとだいぶしんどいみたいなんです。僕の友人で、コロナの影響で電気代を払えなくなったヤツがいるんですけど、それに相当ダメージを受けてて。もちろん滞りなく払っている人は偉いですけど、あんなの督促状が3通くらい来てから払ったって全然セーフという考え方もあるじゃないですか。でも、それを知らないし我慢できない人もいるわけですよね。
『きょうも延長ナリ』は、僕にとって風俗が逃げ道のひとつになっていた時代の話なんです。その逃げ道が正しいのか間違ってるのかはわからないけど、そんなふうに生きてもなんとかなるよってニュアンスが伝わったらいいですね。
益子寺:コロナ禍で変わったことは、私たちも実感がありますね。世の中が暗いからか、明るくてバブリーな世界観が以前よりも求められるようになっている気がして。
中尊寺:ベッド・インの大事MANな「結成10周年サラダ記念イヤーアルバム」を作るために、クラウドファンディングをしたんです。そしたら支援して下さるマル金パパが1000人以上も現れて、目標金額の2倍も集まっちゃって。そこで、あっ、私たちもこれまでとはちょっと違う求められ方をしているぞと思って。
益子寺:すったもんだがある時代だからこそ、世の中がバブルを求めている……! いい意味でバカバカしくて景気のイイ世界を欲しているんだなって。みんな疲れてるのかな……チン配~!
爪:あんまりいいニュースないですもんねぇ……。
益子寺:だったらウチらのパンチラ見てもらったほうがいいよね~!♡
中尊寺:うちらを見て、バカバカしい~! って一瞬でも忘れてもらえたらいいなって思います。風俗も我々のような商売も、確かに刹那的かもしれませんが、その瞬間に嘘はないと思うんですよね。
爪:僕の理想としてる作風って、沢口靖子さんのご長寿ドラマ『科捜研の女』(テレビ朝日系)なんですよ。人が死ぬサスペンスなのに、なぜか笑える、みたいな。あと、1話が45分で終わるのもいいですね。風俗のプレイ時間と同じです。
誰に頼まれたわけじゃないけど、そういう『科捜研の女』的な救いを求めている方のために、勝手に使命感を背負って書き続けていきます(笑)。
中尊寺:最高です! 私たちも勝手にバブルを背負ってるので、やっぱりおチンパシー感じちゃう~! これからも沢山、カイてコイてくださいね♡
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