パンサー尾形がなぜか超難問に挑む、NHK『笑わない数学』への嫉妬と羨望
#NHK #尾形貴弘
学生時代、数学がニガテだったという人は少なくないだろう。微分積分とかベクトルとか確率とか……聞いただけで頭が痛くなってくる“数学アレルギー”患者もいるはずだ。
――そんな数学は、エンタメになり得るのか? そんなテーマに挑んだのが、NHKの異色番組『笑わない数学』だ。
番組は毎回、「フェルマーの最終定理」「暗号理論」「カオス理論」「四色問題」など、高校数学を履修した程度では聞いたこともないような数学の難問をピックアップ。しかも、進行役はパンサー・尾形貴弘である。
「数学界でも屈指の超難問を取り上げ、その証明に挑んだ数学者の思考の道筋をたどりながら、解説を試みる番組。進行役のパンサー尾形は一切のギャグを封印し、持ち前のハイテンションな芸風をそのまま、難問の解説にぶつけます。
BSで3月に放送された初回のテーマは『素数』で、多くの数学者が挑み、そして挫折してきた『素数はどんなタイミングで出現するのか』というテーマに挑戦。夏からは地上波でレギュラー化され、9月28日の最終回は現代数学の扉を開いた『ガロア理論』の解説でした」(テレビ情報誌記者)
NHK、民放を問わず教養バラエティ番組は多数存在するが、それらの大半は中高生レベルの基礎的な知識や教養を再確認するようなものばかり。世界トップクラスの知能でも苦労する難問を解説する番組は極めて異色だ。NHKは『笑わない数学』以外でも数学のエンタメ化に挑んできた。
「NHKはこれまで、『ポアンカレ予想』『リーマン予想』『abc予想』について、証明の解説のみならず、証明までの過程、さらに難問に挑んだ数学者のバックグラウンドや、証明に失敗した数学者たちの歩みまでを紹介するドキュメンタリー番組を制作しています。
これらの番組は、豊富な資料を丁寧にあたるだけでなく、海外まで飛んで関係者のインタビューを取り、多くの専門機関の協力も仰いでいる。これには莫大な時間と手間、さらに内容をしっかり把握出来る人材が必要なわけで、これはNHKにしか出来ない芸当でしょう。
『笑わない数学』は23時からの放送で、ちょっと地味でしたが、テレビ関係者の間ではかなり話題になりました。こういった骨太の番組は、民放で企画書を出してもまず通らない。ニッチなアイディアを具現化できるNHKに対しては、嫉妬と羨望しかありません」(民放バラエティ番組制作関係者)
“第2シーズン”は実現するか。
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