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『水ダウ』で物議を醸したおいでやす小田「閉所恐怖症」事件と芸人へのリスペクト

『水ダウ』で物議を醸したおいでやす小田の「閉所恐怖症」と芸人魂へのリスペクトの画像1
おいでやす小田 吉本興業 公式サイトより

 9月21日に放送された『水曜日のダウンタウン』(TBS)がまたまた、ネット上で物議を醸している。これまでも何度か、波紋を呼んできた番組だが、今回も予期せぬ部分でかなりの波紋を呼んでしまった。

 一体何が問題だったのか。今回はその辺りを元芸人目線で軽掘りしたいと思う。

 番組の前半コーナーで「お化け屋敷のルート中にお化けメイクされて捕えられてたら、めちゃ助けてもらいづらい説」という説の検証が行われた。

 検証のターゲットとなった芸人たちが、目隠しをされたまま、落ち武者やゾンビなどのメイクを施され、箱や鎖で動けない状態で営業中のお化け屋敷に放置される。そして自身も状況が分からない中、お化け屋敷に来たお客さんに助けてもらえるのかというのを検証した。

 全部で4人の芸人がターゲットとなったのだが、その中の1人「おいでやす小田」さんが予期せず今回の、波紋の中心となってしまった。

 小田さんは特にメイクされることもなく、目隠しをされたまま立て掛けられている棺桶の中に。外側からは鎖で縛られ、自力で出ることは不可能。そしてスタッフから、自身が箱の中に閉じ込められていること、さらに近くに鍵があるからそれで脱出するように伝えられ、スタッフはその場から離れた。

 そして企画がスタートするが、開始早々小田さんに異変が起きる。いつも通りあの大声で騒ぎ立てるのかと思われたが、少しの静寂があり小田さんはこう言い始める。

「あ、すみません。スタッフさん。ちょっとマジです。ちょっとパニック……すみません。ちょっと呼吸……ちょっと呼吸が」と。

 そして顔を両手で覆ったまま呼吸が荒くなり、慌ててスタッフさんが鍵を開けて救出。どうやら本人も知らなかったらしいのだが「閉所恐怖症」だったのだ。

 少し休憩し、改めて事情を聞かれた小田さんは「ここまでのことしたことないんで、ちょっと知らなかったですけど自分でも」「ほんまに無理なやつかもしれないこれ」「閉所恐怖症ってやつですねたぶんいわゆる」とコメント。そしてその後はロケの内容をシンプルにお化け屋敷を回るというものに変更され、いつものように大声でリアクションを取り笑いを起こしていた。

 ネット上では「小田さんを潰す気か」「見てて笑えるものではなかった」「放送しないでほしかった」などの声が上がった。

 確かにそう言いたくなる気持ちもわかる。ではなぜ放送したのか。

 これはあくまでも僕の憶測だが、おそらく小田さんという芸人に対する愛情から放送したと考えられる。本来ならこの手のハプニングはお蔵入りにしてしまえば良い。そうすれば何も無かったことになり、波紋など呼ぶこともない。

 だがわざわざ放送したのは、小田さんが閉所恐怖症でパニックになった部分を見せたかったのではなく、たぶんその後の芸人としてのプライドを持って全力で大声を出しながら、お化け屋敷を回る姿を見せたかったのではないだろうか。

 普通ならパニックに陥った後、多少休憩をしたからといってすぐにいつものテンションになれるわけがない。ロケを中止し帰っても誰も、文句を言わない状況だが、小田さんは自分を呼んでくれた番組に対して最後まで、芸人としての意地を貫き通し笑いを起こそうとしたのだ。

 確かに見ていて小田さんが可哀相に見えた一面もある。芸人としてはあまりにもシリアスに映ってしまい、マイナスプロモーションになってしまうかもしれない。だが、おいでやす小田という芸人のカッコよさと、起こした笑いを視聴者に届ける為にあえて、カットせずオンエアしたのではないだろうか。

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