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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > ダイアンとオードリーのよそよそしいコラボ

ダイアンとオードリー、似た者同士の“よそよそしいコラボ”はお笑いコア層に刺さるか?

コンビの中だけで完結してしまうダイアン

 ダイアンのファンになった若林は、彼らの冠番組が増えていることに気がついている。例えば、『あちこちオードリー』の裏では、今年4月スタート『ダイアンのガチで!ごめんやす』(群馬テレビ)の再放送が毎週放送されている。「2人だけで視聴者の元に会いにいく」を趣旨としたロケ番組だ。

若林 「結構、ダイアンさんの冠番組は始まってるけど、2人で出るのが基本じゃないですか?」

ユースケ 「2人でやるだけなんで、MCでもなんでもないんですよ。2人でロケしかしてない」

若林 「やっぱ、ロケ好きっすか?」

津田 「ロケ、大好き。ラジオとロケ、これが大好き」

ユースケ 「それ、ええんか……?」

津田 「いいよ、いいよ! それで天下取るから。ラジオとロケを繰り返して、それで天下取る。これで覇者になるよ!」

「ロケとラジオで天下獲る」は、あまりにもパワーワードだ。

ユースケ 「でも、たしかに2人でロケやってるのが楽しいは楽しいですね」

春日 「ゲストの方がいたりすると違ってきますか?」

津田 「ユースケも、誰かが1人入ると遠慮するっていうか」

若林 「じゃあ、ロケとラジオと“ゲストNG”で、天下取るってことですか(笑)? そのルートの天下取りは……(苦笑)」

津田 「『こんな道あったんや』って、そこに頂点があると信じて!」

 いまだかつて、そんな天下人は存在しない。ダイアンは類推の山を登っている。天下を取るには、他のタレントとの絡み(セッション)をしたほうがいいと思うのだけど……。

若林 「それこそ、千鳥さんとかまいたちさんで番組をやってたりするじゃないですか。ダイアンさんともう1組でやるとして、1番相性いいコンビは誰だと思いますか?」

津田 「誰やろなあ……」

ユースケ 「難しい……」

春日 「そんな、すぐ出てこないもんですか?」

ユースケ 「それ、2人じゃダメなんですか?」

「もう1組はどのコンビか?」と聞いているのに、ひたすら「2人がいい」を繰り返す“鎖国芸人”ダイアン。事実、彼らが東京に来て最も評判になった出演は、『有田ジェネレーション』(TBS系)で行ったラップバトル(フリースタイルのラップをしながら2人が罵り合う)だそうだ。まさに、コンビの中だけで完結した仕事である。

 つまり、今回の『あちこちオードリー』は、2人で話しているときが最も面白いコンビ2組のセッションだった。なのに、エンディングでオードリーとダイアンはこんなことを言い出している。

若林 「(オードリーとダイアンは)相性良くないですか?」

津田 「いや、めちゃくちゃいいですよ。番組やりましょうよ!」

若林 「4人で。(スタッフに)いいですよね!? ……なんか、あんまりスタジオ盛り上がってないですね(苦笑)」

春日 「全員が同じくらいの『まあ、まあ』で」

 事実、そうだったのだ。番組としては面白かったし、相性が悪いわけではないけれど、それぞれのコンビが仲良しすぎた。懐に入り込もうとするも、完全に踏み込めていなかった。距離を測って津田をイジろうとした若林と、そのフリに全乗っかりせず「テレビの覇者になりたい」の思いを貫いた津田……という形で、2組のセッションは緩くスイングしていった。

 今、テレビは分母である全体の視聴者数が減少している。だからこそ、コア層に共感される“内輪受け”のトークが鍵。その内輪をどこまで広げていけるかが、バラエティのあり方だ。まさに、『あちこちオードリー』はその成功例である。

 2組のよそよそしい感じを「面白い」と思えるコア層に向けた番組として、オードリー×ダイアンの掛け合わせはなくはない。内弁慶同士だし、東西ラジオスターでもあるし、親和性は意外に高い。

 等身大の弱みを出せるダイアンのほっとけなさが染み渡るセッションでもあった今回。なんだかんだ、彼らの3度目のゲスト出演はあるような気がする。

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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最終更新:2022/09/26 20:00
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