『NHKスペシャル』“中流危機”特集に視聴者激怒「受信料下げろ」の超特大ブーメラン
#NHK #受信料 #NHKスペシャル
NHKのドキュメンタリー番組『NHKスペシャル』が、またしても視聴者の気分をどん底に叩き落とした。
これまで引きこもり、孤独死、老後破産、ワーキングプアなどを取り上げ、日本の暗い現実をえぐり出してきた『Nスペ』が、今度は“中流危機”をテーマにピックアップ。日本が置かれた厳しい現実を容赦なく見せつけた。
「『“中流危機”を越えて』と題された今回の特集は、かつて一億総中流と呼ばれた日本が、いかに貧乏な国になったのかを解説するもの。放送では、所得分布の中央値が25年前より130万円も減ったこと、自分の暮らしが中流以下だと感じている人が半数を超えていること、生涯賃金がピーク時より4000万円近く減っていることなど、衝撃的なデータが次々と紹介されました。
番組によれば、欧米はここ30年で実質賃金が3割から5割上がったのに、日本の上げ幅はわずか3%。若者の絶望感は深く、『親より豊かになれるか?』という質問に、『なれる』と回答した人は15%しかいなかったそうです」(マネー誌記者)
賃金が上がらなければ消費は減退し、企業の売上は落ちる。企業が儲からなければ、賃金は上がらない──出口の見えない負のスパイラルに落ち込んだ日本の状況を解説した『Nスペ』。視聴者からは、
「めっちゃ暗い気持ちになった」
「ちょっともう途中で苦しくなってきて目を背けてしまった」
「まだ就職する前なのにこんな絶望を見せつけられて、どうすればいいんだ…」
との声が上がったが、怒りの矛先をNHKにぶつけた視聴者も少なくない。番組を見たフリーの記者もその一人だ。
「番組には、正社員であるにも関わらず生活苦に悩む人が登場し、家計のやりくりが大変な様子が紹介されました。登場した50代の男性のお小遣いは月3万円。家のローンや保険、携帯代など、それこそ1円単位で節約して生活していますが、NHKの受信料は地上波のみで年間約1万4000円、BSまで含めれば約2万5000円で、庶民にとっては大きな負担です。しかも、いずれはスマホ所有者からも受信料を取ろうとしています。
その一方で、局員の平均年収は1000万円を超えており、NHKの繰越剰余金は実に2000億円にも上ります。批判を受けてNHKは受信料値下げを行いましたが、値下げ幅は月額数十円と、文字通り“雀の涙”。しかもNHKは現在、新社屋の建て替えを進めていますが、その建設費用はなんと約1700億円。どの民放よりも高いですが、その財源も視聴者から徴収した受信料なんですから、視聴者を完全にバカにしていますよ……」(フリー記者)
ネットには、
「NHK の受信料も地味に家計圧迫要因だよなぁ」
「一人暮らしの大学生からも受信料とっておいて日本の危機とか言うなよ」
「年収が減って持ち家を手放さざるを得ない家庭からも同額の受信料をふんだくるNHK」
といったコメントが次々と登場。しかもNHKが提示した解決への道筋は、中流危機の人々にとって何の夢もないものだった。
「番組は正直、かなり“企業寄り”の内容だったと言わざるを得ません。『企業が儲からないから賃金が上がらない』と言っておきながら、大企業の内部留保が激増していることにはサラっと触れただけ。悲惨なデータを散々提示した上で何を言うかと思えば、『企業は選択と集中を』『スキルアップして企業依存から抜け出せ』と、お決まりの自己責任論です。中流危機の特集なのに、格差の拡大を促す流れを煽るとは驚きです。
年功序列や終身雇用などの企業依存型システムは、労働者が望んで出来上がったものでなく、企業の都合で成り立ってきたものなのに、今さらその責任を労働者に転嫁する論調も酷い。あれでは、救いを求めて番組を見た中流危機の人たちは浮かばれません」(前出・マネー誌記者)
結果的に、中流が置かれた立場をこの上なくシビアに知らしめた『Nスペ』。NHKはまもなく、再度の受信料値下げ案を発表する予定だが、値下げ幅次第では不払いの機運が一気に高まりそうだ。
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