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KADOKAWA角川歴彦会長逮捕、夏野剛氏のダンマリ
さて、ついにというべきか、角川歴彦会長(79)が逮捕された。収賄容疑で逮捕された高橋治之元電通専務の五輪汚職事件で、高橋に賄賂を贈った容疑だという。
社員2人が逮捕された後の9月14日、自ら記者会見に臨んで、「(賄賂などという認識は)全くない。自分たちの精神を汚してまで仕事をしろなんて言わない。社員が不正をしていないということについて僕は信じたい」といい、自分の責任については認めなかった。
しかし、出版社の多くがそうであるように、KADOKAWAもオーナー会社である。中でも、角川会長の超ワンマンぶりはよく知られている。
彼を差し置いて、部下が7000万ものカネを動かすことなどできないことは、最初から分かっていたのである。
朝日新聞(9月17日付)はこう報じている。
「東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件で、出版大手『KADOKAWA』の五輪担当室長だった馬庭教二容疑者(63)が、大会組織委員会の元理事・高橋治之容疑者(78)の知人の会社に支払う資金について、KADOKAWA会長・角川歴彦(つぐひこ)容疑者(79)らに『理事に利益供与があった場合は贈収賄になる』という認識があったと、社内の法務部門に説明していたことが、関係者への取材で分かった」
角川歴彦会長の略歴はこのようだ。
「父は角川書店の創業者で俳人としても名高い故・角川源義氏。歴彦容疑者は1966年に角川書店に入社し、92年に副社長に就任したものの、当時社長だった兄の角川春樹氏と経営判断をめぐって対立。わずか2カ月半で退任の憂き目をみた。
だが、その春樹氏は翌年、コカインの密輸事件で逮捕され、辞任。社に復帰した歴彦容疑者が代わって社長に就任し、会社再建に向けて次々に新たな手を打った。
経営の民主化を掲げ、創業家が大半を所有していた株を売り、同族経営からの脱却をめざした。若者のサブカルチャー人気に目を向け、アニメ映画に力を入れて新境地を開拓した。
2003年、角川書店は角川ホールディングスに移行。出版だけでなく映画、テレビ、ゲーム、ウェブから不動産や物流まで包括する一大組織となった。04年には東証1部上場を果たし、出版社では珍しい上場企業として、多角経営の色をさらに濃くしていく。
めまぐるしいデジタル革命の時代について、『新しいネットサービスが変化を引き起こし、それが同時進行で伝わる。人々が一つの事件を消化できないうちに次の事件が起きる。そういう時代だ』と歴彦容疑者が語っていたのは11年だった。その言葉を裏付けるように、14年に『ニコニコ動画』を運営するドワンゴと経営統合し、メディア再編の象徴として注目を集めた。
05年に社長を退任し、会長に就任。13年に商号をKADOKAWAに変更した。ある大手出版社の幹部は、KADOKAWAでの歴彦容疑者の影響力の大きさについて『歴彦氏が首を縦に振らないと(社内で)ことが進まないと言われていた』と話す」(朝日新聞DIGITAL 9月14日 21時55分より)
講談社、小学館、集英社を大手出版社という。文藝春秋や新潮社は人数的にも売上高からいっても中堅出版社。KADOKAWAも中堅出版社だったが、ドワンゴと経営統合して大手出版社をしのぐほどまでに売り上げを伸ばし、今や東証プライムに上場している一流企業である。
だが30年ほど前に、角川歴彦の兄である春樹社長がコカインの密輸事件で逮捕されるという不祥事が起き、兄に追い出された歴彦が社長に就くというどんでん返しがあったりと、KADOKAWAという出版社には、骨肉の権力争いの歴史がある。
春樹が逮捕されたことをきっかけに、KADOKAWAを離れ、幻冬舎を立ち上げた見城徹社長は、角川歴彦会長のことを自身のSNSで批判していた。
「逮捕された元・室長が賄賂と認識して支払ったと供述している以上、角川歴彦氏は取締役を辞任して責任を取るべきだ。それとも7600万円のことは全く知らなかったで通すつもりか?」
「自分が逮捕されるまえにやるべきことは辞任だろう。卑しくないことを示して欲しい」
私も、角川歴彦会長は辞任するしかないと思う。SNS上では、次は、見城社長、角川春樹会長ではないかなどと、無責任な憶測まで飛んでいるようだ。
真っ当な企業なら、そんなことにはなるまい。第一、代表権を持ったドワンゴから来た夏野剛という社長がいるではないか。
彼は保守的な考えを持っている人間だと思うが、それは別にして、夏野はどうしているのか? ワイドショーに出ている時は、保守的な考えを堂々と述べていた夏野が、自社の大不祥事に沈黙したままでは、彼の鼎の軽重が問われるはずである。単なるお飾りだったのか?
KADOKAWA存亡の危機に、夏野はどう答えるのか。フジテレビは夏野の独占インタビューでもしたらどうか。
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