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エリザベス女王と面会しなかった米大統領…意外な真相を描いたネトフリ「ザ・クラウン」

エリザベス女王と面会しなかった米大統領…ネトフリ「ザ・クラウン」で描かれた意外な真相の画像1
先日なくなったエリザベス女王(写真/GettyImagesより)

 英国史上最長の70年7カ月にわたって君主を務めた、エリザベス女王が今月9月8日に死去してから、世界各国のメディアが自国の指導者と女王との関わりを報じている。アメリカの場合はトルーマンから始まる女王と面会した歴代の大統領と女王の写真と映像、それにまつわるエピソードの数々を複数のメディアが形を変えて紹介した。

 70年以上に及んだ在位期間中、女王はある意味、アメリカの政権交代を目撃し、それぞれの指導者と面会し、言葉を交わしたことで米現代史の生き証人となった。

 トルーマンから現在のバイデン大統領まで14人。全員と会っているのかと思いきや、1人だけ女王と面会を果たせずにいた大統領がいた。LBJの愛称で呼ばれたリンドン・ベインズ・ジョンソン大統領だ。

 あの問題児のトランプですら2018年7月13日、ウィンザー城で女王との面会を果たしている。その時「なぜLBJだけが会えなかったのか」とちょっと騒ぎになり面会が行われた当日、ジョンソン大統領の出身州、テキサス州の州都オースティンにあるリンドン・ベインズ・ジョンソン(LBJ)記念図書館兼博物館はわざわざツイッターで「本日、トランプ大統領がエリザベス女王と会見しました。ジョンソン大統領が女王と会ったことがあるのか、という質問をいただきました。要するにややこしいのですが、私たちの知る限り、LBJと女王は会ったことがないのです」と苦しい説明をする羽目に追い込まれた。

 同図書館がわざわざ確認したように、1963年11月22日に暗殺されたジョン・フィッツジェラルド・ケネディ大統領の後を受け、大統領になったジョンソン氏は1969年1月20日の退任まで一度もエリザベス女王と面会することはなかった。

 同図書館がわざわざ「ややこしい」と書き込んだようにジョンソン大統領が在任期間中、女王との面会を果たせなかった理由には、ベトナム戦争を背景にした複雑な事情があったようだ。

ネットフリックスのドラマ『クラウン』で明かされた当時の複雑な事情

 1965年当時の英国の首相は労働党のハロルド・ウィルソンだった。ベトナム戦争には否定的な立場を取り、ジョンソン大統領の再三の派兵要請にも応じなかった。これに腹を立てたジョンソン大統領は1965年1月30日に行われたウィンストン・チャーチル首相の国葬に、表向きは風邪を理由に出席しなかった。

 代わりに、米国は連合国軍最高司令官として1944年6月6日のノルマンディー上陸を指揮し、1953年に米大統領となったドワイト・アイゼンハワー陸軍元帥を派遣した。

 60年代の英国は相次ぐ旧植民地の独立で国力も弱まり、ポンドも下落し、経済はどん底の状況にあった。1964年には8億ポンドの支払い不能に陥り、赤字状態から抜け出すためには、どうしても米国からの経済援助が必要だった。しかし、ウィルソン首相がホワイトハウスに電話を入れるなどして直接の会話を試みようとしても居留守を使われるなど、英国のベトナム派兵拒否を発端に、古くからの同盟国で、“特別な関係”とも言われた英米の関係は完全に冷え切ってしまっていた。

 当時の英米間の緊張ぶりをエリザベス女王の人生と葛藤を描き人気シリーズとなったネットフリックスの『ザ・クラウン』はシーズン3のエピソード2「切り札」で当時の様子を再現した。

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