『ガリレオ』福山雅治&柴咲コウ&北村一輝が集結! “友情”を通して問われるもの
#映画 #柴咲コウ #福山雅治 #ガリレオ #北村一輝
もうひとりの主人公・草薙俊平と、内海薫の視点
真実が明かされたことで、修復できないほどの心の傷を負うような、悲しい結末に向かってしまう場合もある。あえて白か黒という判断をしないで、グレーのままのほうが遺された者にとっては幸せだったとしたら、どうするべきなのかは、部外者である自分が関与すべきではないと思っているからなのだ。
また今作は湯川とは大学時代の同級生でもある刑事・草薙の物語でもある。その点では今作において、草薙はもうひとりの主人公と言っても過言ではないだろう。登場時間もおそらくシリーズの中で最長なはずだ。
湯川と草薙の関係性はスペシャルドラマ『ガリレオΦ(エピソードゼロ)』(2008)などの過去作でも少しずつ描かれてきた。友人であっても決して一般的な価値観に基く”親友”という関係性ではない、距離を保ちながらも互いを尊重し合う独特の関係性が構築されている。その距離感が最も活かされた作品といえるだろう。
というのも、今作で扱う事件は、警察の、そして法の在り方を改めて問うものとなっており、作中でも言及されるが、結果的に警察によって作り出されてしまった事件や被害者、そして犯人でもあるかもしれないからだ。
干渉し合わない関係性だからこそ、真実に気付き近づいたとき、それが草薙の抱えている心の傷を、あえて抉ることにもなりかねないと気づいた湯川がどういった行動をとるのかも見所のひとつだ。それは湯川なりの”親友”といえる関係に発展した結果なのかもしれない。
今作で9年ぶりの登場となった柴崎扮する内海は刑事として捜査に参加はするものの、少し俯瞰的な視点から湯川と草薙、そして事件のゆくえを見守るような立ち位置のキャラクターとして描かれている。警察という立場から、先輩を心配する後輩という立場から物事を観る、つまり一番観客の視点に近いキャラクターとして描かれているのだ。
映画『沈黙のパレード』
9月16日(金)より全国東宝系にて公開
監督:西谷弘
脚本:福田靖
出演:福山雅治、柴咲コウ、北村一輝、吉田羊、壇れい、椎名桔平、飯尾和樹、岡山天音、出口夏希、村上淳ほか
原作:東野圭吾『沈黙のパレード』(文春文庫刊)
音楽:菅野祐悟 福山雅治
製作:フジテレビ アミューズ 文藝春秋 FNS27社
配給:東宝
公式サイト:https://galileo-movie3.jp/#wrap
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