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タカ&ユージのあぶないお笑い批評

見取り図×ニューヨークの“いつメン”感が示す「横のつながり」と芸人の売れ方

お笑いブームがいよいよ極まってきている。ただただ楽しく観るのもいいが、ふとした瞬間に現代社会を映す鏡となるのもお笑いの面白いところ。だったらちょっと真面目にお笑いを語ってみてもいいのではないか──というわけで、お笑いウォッチャー・タカ&ユージが気になる動きを勝手に読み解く!

見取り図×ニューヨークのいつメン感なぜ「横のつながり」と芸人の売れ方の画像1
『見取り図×ニューヨークのなりたいテレビ』TVerより

ユージ このところ、「バラエティで売れるためには“横のつながり”が要る」という話を芸人がしているのを立て続けに観る機会がありました。口外禁止ライブなので詳しくは書きませんが、『あちこちオードリー』オンラインライブ(2022年8月5日配信)でそういう話が出ていたのがまず気になって。あのライブでいちばん印象に残った部分でした。で、その後の『あちこちオードリー』チュートリアル出演回(2022年8月24日放送/テレビ東京系)でも同じような話になっていました。

タカ 『しゃべくり007』(日本テレビ系)に抜擢されたとき、くりぃむしちゅーとネプチューンという関係ができあがった東京の先輩たちと一緒にやっていける気がしなくて一度断った、というエピソードを語っていましたね。複数の芸人を組み合わせてMCさせる番組のさきがけは『しゃべくり』だったんだなと思いました。今や当たり前になっていますが、世代も違うし東西も違うって当時はかなり新鮮だった。

ユージ ボキャブラ世代のくりぃむ&ネプチューンと、当時『M-1グランプリ』で優勝したばかりだったチュートリアルではだいぶ差がありましたもんね。やっていけるかどうか不安に思うのは当然です。

タカ チュートリアルは大阪時代からあまり横のつながりが強くなくて、だからこそネタを頑張らないといけなかったという話も印象深かったです。ちょっとマヂカルラブリーと似てるなと思ったんですよ。大宮セブンという横のつながりはあるけど、いわゆる団体芸みたいなものをやっていくコミュニティではないというか。苦労を共にした人たちがそれぞれに頑張ろう、という感じじゃないですか。そこから先輩に可愛がられて起用されるということもないし。

ユージ むしろ、マヂラブが売れたことで地下芸人時代の仲間たちにスポットが当たるようになった流れですもんね。横のつながりや、上とのつながりで引っ張り上げてもらっているわけではない。

タカ 言ってみれば、大宮セブンも横のつながりでテレビに出られないから、それぞれがネタを頑張るしかなかったという意味では、チュートリアルと同じ立場なんですよね。それと『アメトーーク』の「立ちトーク」(2022年6月23日放送/テレビ朝日系)でモンスターエンジン西森が、誰も話を振ってくれないから自分で言う、みたいなくだりを何度かやっていたんですよ。あれも横のつながりの有無の話ですよね。それがないから自分で言わざるを得ない。西森はボケとしてやってましたけど、ああいう番組でそこがいかに重要かということに言及しているのをあまり見た記憶がないので、衝撃的でした。

ユージ 横のつながりがない=振ってもらえないということなんだ、と。結局、テレビで売れてる空気をまとえるかどうかって、テレビの中で「いつメン」がいるかどうかななんだとあらためて感じますね。そういう意味でも同世代を集めた番組に出てることって重要なんだなと、『見取り図×ニューヨークのなりたいテレビ』(8月29日放送/日本テレビ系)を観ていても思いました。さらば青春の光・森田あたりも含めてあのへんは「いつメン」感がすでに出てますよね。

タカ 大阪芸人と東京芸人の組み合わせなのに全然そういう感じがしなくて、それもチュートリアルの頃とは隔世の感がありますね。

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