BE:FIRST『BE:1』ショウムライターが全曲を6000字で解説!満載の仕掛けに脱帽以上に脱毛
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「Greateful Pain」に脱帽以上に脱毛す
「Greateful Pain」
パッと聴きはバラード、なのであるが聴き込んでみるとこれ、2022年J-POP最前線として聴かれているであろう、今作の中の爆弾その2であるとおっさんは思った。そう、パッと聴きはバラードなのだ。郷愁感溢れるピアノ、ゆったりとしたリズム、そう、紛う事なき、バラードなのだ。
だが、こいつは一体どうした事なのだろう。サビと思われる”絡みつく雑音や~”から始まる箇所とその直前以外の譜割りとメロディーが超自由奔放。メンバーそれぞれに思い付いたメロディーを即興で録音していったとの事であるが、終始トーンが統一されておりアップダウンも少ない曲調、またそもそもリズムが鳴らない箇所も多い曲故にこのリフレイン(繰り返し)が全然使用されない展開の斬新さと申しますか。
メンバーの豊かで強固な個性だからこそ何とか均衡を保ててはいるものの、こんなに崩壊すれすれな譜割りはなかなか聴けたもんじゃあない。活字にするとこれは何とも伝わり辛いのが歯痒い次第ではあるし、ただ単純におっさんの言語表現が至らぬだけな可能性も大いに有り得るが、例えば口ずさんでみたりカラオケで歌ってみたりするとメンバーによって全く異なる譜割りとメロディーを付けている事がよくお分かりになるかと思う。
そしてこの曲調に対しての譜割りが如何に個性的でまた、テクニカルでスリリングであるかという事もきっとお分かり頂ける筈だ。だからこそ冒頭の「BF is…」以上に、個々のソロパートを味わうにはぴったりの1曲でもある。脱帽を超えて脱毛であるくらい、そう、帽子を脱ぐどころか毛を抜いちまうくらい、おっさんは仰天しています。
「Shining One」
かなり長めとなってしもうた前曲の文章量を見て頂ければお分かりの通りであるが、おっさんが今作で1番ぶっ飛ばされたのが実は前曲であり、そういう意味でもこちらの安定感、安心感が一段とより心地良く聴こえる。なんか本当にこう、個性と構成がよく練られているアルバムだなあと思わされる次第である。二段構えの構成となっているサビであるが、”響き合うほどに踊り出す鼓動”からビート(鼓動)が4つ打ちとなって本当に踊り出すと言う仕掛けがとてもニクくて大好きです。
「Message」
実質的にはアルバムのクロージングナンバーと呼んで良いのではなかろうか。直球のラブバラードである。それでいてラストの”鍵をかけて誓おう”が1番分かりやすいが、随所に鍵の”チャリン”と言う音がさり気なく挟み込まれているという遊び心がこれまたニクし。オラつくラップの時とはまるで別人なSOTAの多重人格的な声の使い分けが印象的だ。
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