トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 『BE:1』アルバムとしての仕掛けに脱帽
#ショウムライター"おっさんの讃"特別編―BE:FIRSTが何なのか証明しよう『BE:1』発売記念特集

BE:FIRST『BE:1』ショウムライターが全曲を6000字で解説!満載の仕掛けに脱帽以上に脱毛

アルバム通して聞いてわかる「Move On」

「Milli-Billi」

 2022年J-POP最前線として聴かれているであろう今作の中の爆弾。と書き立てる所以は、上物らしき音が一切鳴っとらんという挑戦的且つ扇動的なアプローチだ。つとにメロディーを好み、大切にして来たJ-POP史上でこう言った曲調が出て来る様になった事への計り知れない衝撃。曲終盤、ラスト15秒から一瞬だけ鳴らされる踏切のサイレン。そしてラスト2秒の急ブレーキ音。ううむ、実に危険なかほりを漂わせるなあ……。

 作詞はSKY-HI単独名義となっており、押韻しまくりの言葉遣いを追いながら聴くとより楽しい。特に”いいですね”と”2XL”で韻を踏む箇所なんか、流石の一言であった。サビ(て言い方で良いのかしら?)は真似したくなるよね。でも噛むよね。担当のSHUNTOの舌が心配になるよね。

「Spin!」

 前曲の急ブレーキの音からシームレスに繋がる。急ブレーキで制御を失った車がスピンする、という流れも込みでの曲順なのだろうか。「Softly」に続いてのユニット曲となり、参加メンバーはRYOKI、SHUNTO、SOTA 。またここに来て何とまあドープな曲を……と嬉しい苦笑いの一言に尽きるが、欲しかったヤツでもある。照明を落とした会場でストロボバチバチに焚いた感じで体感したらキマってしまいそうなヤツだ。

 既にラップの掛け合いは確立の域に来ている感のあるRYOKIとSOTAに、歌唱の対応音域は随一であるSHUNTOを絡ませていく構図。次曲のタイトルである「Move On」がこちらの締めの歌詞に組み込まれている構成など、「Milli-Billi」~「Spin!」~「Move On」はある種組曲的に聴くべしとしての処置が取られているのだろうか。

「Move On」

 引き続き重低音に重きを置いた楽曲が展開される。サマソニでも一際強烈に鳴り響いたイントロも記憶に新しいおっさんであるが、まさかこれが組曲の一部だったとは。

 何つうかこういう仕掛けを目の当たりにするとプログレッシャー(プログレッシヴロックなるものにヤラレている人)の血が騒いでしまい、組曲だなんて鼻息荒くなってしまうのは仕様なのでご容赦下さい。そう考えると「Moment」~「Be Free」~「Softly」の流れもそんな風に聴こえてくる不思議。やっぱアルバムで通すとこういうのがあるからたまんねえんだよなあ。

「Brave Generation」

 元来生来ロック聴きバンド聴きのおっさんとしてはやはり、この手の歪んだギターには弱い。それまでのアダルティーだったりダーティーだったりで散々振り回されている分、アルバムの流れで聴くとタイトルも歌詞も含め言わば年相応というか、等身大のメンバーの声が聴ける感覚に、胸を撫で下ろす感覚が個人的には味わえた。更に個人的には当曲の突き抜ける歌メロは疾走感バリバリのリズムアレンジにしたら、めちゃくちゃアニメの主題歌なんかに映えそうだなあなんて事も思ったのだが、如何だろうか。

12345
ページ上部へ戻る

配給映画