ピース綾部アメリカで結婚、40歳で無謀と思われた渡米を覆しつつある理由
#檜山豊
芸人というのは時として「笑い」以外をもたらすことがある。例えば「感動」や「癒し」、はたまた「ストレス解消」や「一歩踏み出す勇気」など、人によって様々だ。
そんな芸人たちの中で「いくつになっても夢を追いかける素晴らしさ」を教えてくれる芸人がいる。それはピースの綾部祐二さんだ。
綾部さんと言えば、2016年に突如「ニューヨークを拠点にして活動する」と発表し、2017年10月に渡米。その後日本のメディアではほとんど活躍することはなかったが今年、自身のYouTubeを始動したり、エッセイを発売したりと日本の視聴者への発信を精力的に始めた。
今回はそんなピースの綾部祐二さんを、元芸人目線で分析し、軽掘りしていく。
僕がピースの綾部さんと初めて出会ったのはまだ芸人をしていた頃で、2002年にフジテレビで放送されていた『トーキョープラズマボーイズ』というバラエティ番組だった。ビビる大木さんや品川庄司さん、そして僕らや綾部さんもレギュラーメンバーとして出演していた。
ちなみに綾部さんのテレビデビューがこの番組で当時はまだ、コンビを組んでおらず、ピン芸人だった。その頃から頭の回転が早く、受け答えのセンスは抜群で、さらに先輩から可愛がられる人懐っこさも持ち合わせていた。しかしこの特長はほかの芸人にも多く見られるものだったので、僕が綾部さんに抱いた第一印象は良くも悪くも「よくいる後輩芸人」というものだった。
番組から1年後の2003年に又吉さんとコンビを組み、徐々に注目されるようになり、そして2010年のキングオブコントで決勝進出し2位の成績を収めたことで一躍メジャーになり、人気芸人の仲間入りを果たした。
2015年には相方の又吉さんが小説『火花』(文藝春秋)で芥川賞を受賞し、綾部さん自身も昼ドラの初主演を務めるなど、芸人としてコンビとして順風満帆だった。そんな脂がノリにノリまくっている時期に渡米することを発表し、コンビでの活動が事実上休止となった。
渡米した理由にはいろいろな憶測が飛び交い、本人は「なんでも良いからスターになって、最終的にはレッドカーペットを歩く」という夢の為と語っていたのだが、正直そんな理由で渡米するということに納得できない人が多く、コンビ間の格差が原因ではないかとも言われていた。
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アメリカに渡ってから、ほとんど何をしているかわからない空白の5年間。今年始めたYoutubeの動画を見ると、この空白は綾部さんの計画通りだったということを知る。
綾部さんは渡米する前に3年から5年は何も語らず、世間的に何をしているかわからない状態にし、5年経ったところで英語がペラペラになった自分を披露するという計画だったらしい。実際のところは、英語はペラペラになっていないようだが、自身を披露するという計画通り5年経った今、いろいろと発信をし始めたのだろう。
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