マヂラブもランジャタイも“地下芸人”ではない―元芸人が考える本当の地下とは
#お笑い #檜山豊
最近よく耳にする「地下芸人」という言葉。僕が芸人の頃はここまでメジャーな言葉ではなかった。果たして「地下芸人」というものはどんな存在なのか。今回はそんな「地下芸人」について元芸人目線で分析し、意見を述べていく。
そもそも「地下芸人」とはなんなのか?
「地下芸人」を書くにあたり、まずは「地下芸人」とは何なのかを調べる必要がある。「なんとなくこんな感じかな?」という薄っすらとしたイメージはあるのだが、”地下芸人の定義”がイマイチわからない。そもそも地下芸人という言葉はいつからメジャーなものになったのか。
調べてみたところ“地下芸人”という言葉自体は、僕が芸人をしていた頃(コンビ期間1996年~2010年)にはすでに存在しており、地下アイドルや地下プロレスからその発想を得ていたと推測される。広くテレビなどで使用されるようになったのは2009年頃、そして2020年のM-1グランプリでマヂカルラブリーが優勝したことにより「地下芸人」という言葉が普及され、世間一般でも理解されるメジャーな言葉になったとのこと。
ではその「地下芸人」とは一体どういう芸人のことを指すのか? これに関してはどれだけ調べても決定的な解答は出て来ず、曖昧な定義しか見つけることが出来なかった。
その中で最も多く地下芸人の定義とされていたのは”売れていない芸人”というキングオブ曖昧な答えだった。
どんな芸人も結成した1日目に売れるなんてことはない。つまり、上記の定義に当てはめるとするならば全芸人が、地下芸人スタートということになる。となると「地下芸人出身」なんて言葉は生まれるはずがない。他の出所がいて初めて「地下芸人出身」というカテゴリーが出来上がるのだ。ということは「売れていない芸人」イコール「地下芸人」ではない……。では実際のところ、何が「正しい地下芸人の定義」なのだろうか。
様々な記事を読んでみたが、誰も定義を明言しておらず、濁した形で三者三様の地下芸人定義を書いていることがほとんどだった。
ならば僕も例に漏れず、自分なりの「地下芸人」を展開してみよう。
檜山が考える定義:ランジャタイは“地下芸人ではない”
そこで僕が思うに地下芸人とは「売れていない」芸人ではなく「売れない」芸人を指すのではないか、と考えている。
先ほども述べたのだが「売れていない」というのは現状売れていないだけで、いずれ売れるかもしれない芸人も含まれてしまう。なので現段階では売れていないが、他の芸人から面白いと言われていたり、芸能事務所に所属しテレビ等のオーディション情報が入ってくる芸人は、間違いなく”売れるチャンス”は訪れるので、こういった芸人は地下芸人には含まれない。
となると現在地下芸人として扱われている「錦鯉」「モグライダー」「ランジャタイ」「真空ジェシカ」などは僕の考えからいうと「地下芸人」ではない。
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