『るろうに剣心』佐藤健の「おろ?」も完璧! ダメそうな実写化が成功した3つの理由
#しばりやトーマス #金ロー
原作ファンも納得する役者たちのなりきりぶり
三つ目は漫画の登場人物を壊さず、かつリアルに再現した役者らのビジュアルとなりきりぶりだ。
人気漫画の実写化が発表されると必ず起こるのが「原作と違う」というファンのクレームだ。特に日本の漫画はデフォルメされている部分が強く、アニメなら問題がなくても実写にした途端に違和感が起こりがち。特に派手な色の髪型を実写で再現するのが、邦画界隈は苦手。
昔、セーラームーンの舞台化で役者が掃除に使うモップみたいなカツラを被らされているのを見て「漫画で髪の毛が黄色なのは、金髪ってことだよ!」と突っ込みを入れていたことを思い出す。そういった突っ込みが功を奏したのか、最近のセーラームーンの舞台はちゃんと金髪のウィッグをつけてますけどね……いや、セーラームーンはどうでもいい。
『るろうに剣心』の主役、剣心は赤髪だが、そのまま実写にするとおかしくなるので、演じた佐藤健は赤みがかった茶色にしていた。このアレンジは絶妙で舞台セーラームーンのようなことはなかった! 独特な「おろ?」という台詞回しも完璧でどこからどう見ても剣心にしか見えない!
『京都大火編』に登場する敵のひとり、瀬田宗次郎を演じる神木隆之介は原作が好きすぎて、映画がつくられたら宗次郎を演じたい、と願って宗次郎の動きをひとりで練習していたという。まだ映画化もされてないうちから。その甲斐あって実際の映画では縮地という独特のステップを踏む動きを完璧にこなしており、ビジュアルについても文句なし。こういった役者たちのこだわりも何もかもが最高に仕上がっていた。
以上三つの要素が実写『るろうに剣心』を比類ない傑作にしたうえ、その後の漫画の実写化に求められるグレードを高めた一本である。ぜひご覧の上、来週の『伝説の最期編』にも期待して欲しい。
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