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日テレ、『仰天ニュース』まで総動員して旧統一教会批判に“全振り”のガチンコバトル

日テレ、『仰天ニュース』まで総動員して旧統一教会批判に全振りのガチンコバトルの画像1
『ザ!世界仰天ニュース』(日本テレビ系)

 安倍晋三元首相銃撃事件からはや約2カ月が経つが、まったく終わる気配がないのが旧統一教会問題だ。テレビ、新聞、雑誌がこぞって旧統一教会ネタを取り上げている中で、出色の出来だったのが、笑福亭鶴瓶と中居正広が司会のバラエティ番組『ザ!世界仰天ニュース』(日本テレビ系)だ。

 8月30日の放送で、同番組が旧統一教会をピックアップ。統一教会に入信し、その後、脱会した女性を紹介したのだ。

「番組に登場したのは、高校生の時に旧統一教会に勧誘されて入信した女性です。家族や恋人を捨てて教団の活動にのめり込んだ彼女は、高額な印鑑を売るチームで教団のために働き、やがて合同結婚式への参加を決断。しかし、それに絶望した母親が自死してしまい、父親や周囲の懸命の説得で脱会します。

 女性はすでに脱会して30年が経っていますが、いまだに母を死に至らしめた自責の念に苛まれており、『戻れるなら17才に戻りたい』と告白。切実な訴えに、スタジオも神妙な面持ちでした。この内容にはネットも盛り上がり、『5ちゃんねる』の実況スレッドへの書き込み数は1万件を大きく突破。関心の高さを示しました」(週刊誌記者)

 旧統一教会問題については、岸田文雄首相が8月31日の会見で「教団と関係を断つ」と宣言。問題のある団体だという認識は広く共有されつつあるが、それでも日本テレビが厳しいトーンで教団の問題点を突いたことには、関係者も驚きを隠さない。

「メディアが新興宗教の問題点を取り上げる場合、通常なら“保険”をかけるのがセオリーです。宗教が絡む問題については、憲法で保証された信教の自由がありますから、教団から抗議されれば反論がしにくい。なので、『~のようなケースもある』といった表現を使ったり、教団側の見解を紹介したり、テロップで丁寧な注釈を入れたりして、批判をかわす準備をしておくのです。

 でも今回の『仰天ニュース』は、勧誘の手口に始まり、巧妙な洗脳テクニック、献金が不動産購入や教祖の豪邸に使われていること、霊感商法の悪辣さなど、教団の問題点を余すことなく紹介しました。これは制作側が世論の風向きを読んで、“徹底的に追及して構わない”と判断したということ。日テレは『ミヤネ屋』でも旧統一教会の問題点を徹底的に洗い出しており、イケイケドンドンの姿勢が目立ちます」(キー局関係者)

『仰天ニュース』は放送開始21年目を迎える超長寿番組。そのタイトルどおり、驚きのニュースを紹介する番組だが、視聴者の支持を集めているのが“暗黒特集”だ。

「『仰天ニュース』が近年、特に気に入って取り上げているのが事件モノです。先日の放送では豊田商事事件を取り上げたばかりですし、今年だけでも『投資ジャーナル事件』『警察逃走日本一周男』『かぼちゃの馬車事件』『池袋通り魔殺人』『元プロ野球選手の家政婦殺人事件』などをピックアップ。いずれも反響は大きく、同番組の鉄板コンテンツになっています。

 こういった事件は当時、いずれもワイドショーなどで大きく扱われ、何日も、あるいは何週間も騒がれたものばかり。改めてほじくり返すことで“1粒で2度おいしい”わけですね。今回の統一教会特集については支持する意見が圧倒的に多いですし、旧統一教会は1990年代にも大きく騒がれたので、テレビ局には素材がたっぷりあります。このまま教団への批判がやまないようなら第2弾、第3弾もあるのではないでしょうか」(民放バラエティ番組制作関係者)

 旧統一教会側はすでに日本テレビに対する抗議のプレスリリースを発表しているが、日テレはどこ吹く風。岸田政権の対応も興味深いが、日テレVS旧統一教会のガチンコバトルにも依然として注目だ。

 

藤井利男(ライター)

1973年生まれ、東京都出身。大学卒業後に週刊誌編集、ネットニュース編集に携わった後、独立。フリーランスのジャーナリストとして、殺人、未解決事件、死刑囚、刑務所、少年院、自殺、貧困、差別、依存症といったテーマに取り組み続けてきた。趣味はダークツーリズム。

ふじいとしお

最終更新:2022/09/04 11:30
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