綾野剛“新町”、絶対絶命! クビ宣告で最終話は予測不能『オールドルーキー』
#オールドルーキー
TBS系日曜劇場『オールドルーキー』の第9話が、8月28日に放送された。元サッカー日本代表・新町亮太郎(綾野剛)は、スポーツマネージメント会社「ビクトリー」を「第2の人生」を歩む場として選び、加速度を増して成長してきた。その成長を以てして数々のハッピーエンドを掴んできた新町だが、今回ばかりは“暴走”ということなのだろうか……。
ドーピング疑惑を見事払拭も…高柳との対立が決定的に
パリオリンピック代表候補の日本トップスイマー・麻生健次郎(渡辺翔太/Snow Man)を担当することになった新町。しかし、優勝を飾ったジャパン水泳選手権の翌朝、抜き打ちでドーピング検査が行われ、採取された尿から禁止薬物のスタノゾロールが検出されてしまい、麻生はドーピング違反により、4年間の資格停止という重い処分を下されてしまった。これでパリオリンピック出場は絶望的で、その次のオリンピックとなれば麻生は31歳。それまでまともに練習もできないため、アスリート生命の終了を突きつけられたに近い処分だ。
社長の高柳雅史(反町隆史)はこの結果を受けて、非情にも麻生との契約を打ち切る意向を告げる。一方の新町は、麻生が徹底的に自分の体に摂取するものに気をつけていたプロとしての姿勢を目の当たりにし、銀メダリストの水泳選手だった亡き父との約束を叶えさせたい新町は、どうにか禁止薬物の摂取は故意ではなかったことを証明し、処分を軽くしようと奔走することに。しかし、証明のための手がかりが見つからず、高柳は契約打ち切りを宣告。それでも麻生を信じている新町は「何とかして彼を助けてあげようと思うのが何がいけないんですか?」と高柳に食ってかかる。会社を守りたい高柳の「たった一人のために他のアスリートを潰すつもりか?」という言葉に「たった一人のアスリートも守れないでどうするんですか?」と新町は歯向かう。
アスリートに寄り添いたいという信念に従って突っ走る新町だが、不服申し立て中にもかかわらずドーピング違反の件が外部に漏れ、世間に報じられてしまった。麻生のドーピング違反によりビクトリーが信頼を失っていること、他の社員たちが担当するアスリートにも不安や緊張など悪い影響を与えていること、さらに、まだ元アナウンサーで現在インフルエンサーとして再ブレイク中の妻・果奈子(榮倉奈々)にまでバッシングが及んでいることを指摘される。加えて、娘・泉実(稲垣来泉)も学校でいじわるを言われていることを知り、新町は自信を喪失。社長の言うことが正しかったのかもしれないと果奈子に弱音を吐露する新町を救ったのは、ほかならぬ家族とビクトリーの仲間たちだった。
果奈子は「そんなこと気にしないで」「私が泉実と話しておくから」と励まし、泉実と明紗(泉谷星奈)の娘たちもやってきて、泉実は「パパは間違ってないよ。パパのことで意地悪なこと言ってくるような子はいるけど……でも私は平気。だってみんな何も分かってないんだもん」「(ドーピングは)わざとじゃないってパパは信じてるんでしょ? パパは何も悪いことなんてしてない。私は信じてるもん」と応援する。新町は泉実のこの言葉によって光を見出し、契約が解除された麻生に「会社が何と言おうと僕は諦めない」と伝え、ふたたび立ち上がる。第4話でも、“カッコいいパパ”から“普通のパパ”になってしまった新町を受け入れた泉実の成長は感動を呼んだが、幼いながらも家族を支えた泉実の真っ直ぐな想いが描かれたこのシーンはより涙を誘った。
さらに、深沢塔子(芳根京子)がドーピング問題に詳しい弁護士を見つけてきて、解決の糸口を教えてもらう。サプリメントが汚染されている可能性があるため、まずはこれを検査に出すが、結果が出るまでの間、新町と塔子は麻生の日用品にスタノゾロールが含まれていないか入念にチェックすることに。すると、城拓也(中川大志)、葛飾吾郎(高橋克実)、梅屋敷聡太(増田貴久/NEWS)とビクトリーの同僚たちが続々と手伝いにやってくる。高柳に新町の行動を逐一報告するよう“スパイ”役を担わされていた真崎かほり(岡崎紗絵)も新町たちの味方をし、「もう少しだけ待ってあげてください」と高柳を説得する。新町の人望の厚さを象徴するシーンだ。
そこに吉報が届く。麻生が使用したサプリメントが汚染されており、スタノゾロールが混入していたことが判明。世界スポーツ仲裁裁判所が「無罪に近い」と認めることになった。「使用したサプリメントは必ず1錠残しておく」という麻生のプロ意識によって成し得た逆転劇だ。麻生の資格停止処分は4年から4カ月に短縮され、無事パリオリンピックを目指せることに。
これでハッピーエンドかと思いきや、しかし「ビクトリーが受けたダメージとは釣り合わない」と高柳の意志は揺るがず、麻生の契約解除が撤回されることはなかった。新町は、「今回の処分はほとんど報道されないだろう」という高柳の言葉に反発するように、麻生の潔白を世間に知らせるための記者会見を無断で開く。そんな新町に、高柳は「君はクビだ。ビクトリーを解雇する」と告げるのだった。
高柳は感情的になっているのか、それとも…
なぜ高柳は、非情で打算的な判断を貫くのか。その理由が第9話でついに明らかになった。かつてビクトリー創立メンバーが高柳を裏切り、所属アスリートを引き抜く形で独立されたことがあったのだと葛飾が明かした。かつての高柳は「新町君みたいな人だった」ものの、この出来事がきっかけとなって変わってしまったのだ。新町に対する高柳の態度は、類まれな求心力を持つ新町が反旗を翻す危険性を感じたのか、それとも純粋な新町にスポーツマネージメントの世界の厳しさを教えるためのものなのか。真意はまだ謎に包まれている。
ただ、新町との対立は少々強引な印象も受けた。確かに、ドーピング疑惑の出た選手を抱え続けるのは会社の信頼を損なうし、GADA(国際アンチドーピング機構)での検査や世界スポーツ仲裁裁判所への申し立て、弁護士費用などで500万以上を費やしたにもかかわらず、ドーピング疑惑のイメージが根強く残ることになるだろう麻生との再契約が「ダメージと釣り合わない」という主張はわからないでもない。だが、所属アスリートの無実のために事務所が奔走し、見事証明してみせたことは、スポーツマネージメント会社にとってこの上ない宣伝効果があるのではないだろうか。所属アスリートにも要らぬ不安が広がっているなどと言っていたが、麻生に対する対応を見て、やはりビクトリーに所属していてよかったと思うアスリートは決して少なくないはずだ。高柳は第1話で、現役引退で落ち込んでいた新町をスポーツマネージメントの世界に引きずり込んだが、それは世界的に活躍するプロサッカー選手の矢崎十志也(横浜流星)を獲得するために、高校の先輩にあたる新町を使い捨てのコマとして利用したいだけだった。あれほど打算的だった高柳が、所属アスリートの疑惑を晴らすメリットを見出さないのは不自然だが、それだけ新町に対して感情的になっているということなのだろうか。
9月4日にはついに最終話を迎える『オールドルーキー』。第5話に初登場したJリーガー・伊垣尚人(神尾楓珠)の海外移籍交渉のために新町が動くこととなりそうだが、ビクトリーをクビになった今、どのように伊垣と関わっていくのか。高柳との関係や新町家の未来など、どのようなエンディングを迎えるのか見届けたい。
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日曜劇場『オールドルーキー』
TBS系毎週日曜21時~
出演:綾野剛、芳根京子、中川大志、岡崎紗英、増田貴久、生田絵梨花、稲垣来泉、泉谷星奈、高橋克実、榮倉奈々、反町隆史 ほか
脚本:福田靖
音楽:木村秀彬
主題歌:King Gnu「雨燦々」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
協力:Jリーグ、公益財団法人 日本サッカー協会
サッカー監修:大久保嘉人
料理監修:Mizuki
編成:東仲恵吾、高橋秀光
プロデュース:関川友理、松本明子
演出:石井康晴
製作著作:TBSスパークル、TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/OLDROOKIE_tbs/
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