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新興産業|欧州でのiGaming市場はどれくらいの規模か?

新興産業|欧州でのiGaming市場はどれくらいの規模か?の画像1

導入

 インターネットやWEBの技術を用いたサービスは、目まぐるしい勢いで創出されていくため、流行りのサービスを使いこなすことはおろか、もれなく認識することさえ困難になってきているのではないだろうか。

 書店の新書コーナーに行けば、真新しいインターネットのトレンドに関する解説本やハウツー本が目に入り、手に取る人も多いだろう。最近だと、NFTやメタバースなどの技術が実業にも利用され始め、一般消費者にも少しずつに認知されてきている。

 しかし、日本の外に目をやると、まだ日本ではあまり認知されていないが、ぐんぐんと右肩上がりの成長を遂げているオンライン事業も存在するのだ。当記事では、その代表例であるiGaming業界に関して、紐解いて行く。耳馴染みのないワードに戸惑う人も多いかもしれないが、特に概念的に新しいわけでもなく、非常にわかりやすいものだ。背景には、日本で広く受け入れられていないある事情があることが挙げられる。そのためその他オンラインサービスに比べると、認知度が低いというわけである。

 ここまでの説明でピンときた人は、かなりインターネット界隈でも感度が高い人なのではないだろうか。何はともあれ、以降で詳細を述べていく。

iGaming業界って、いったい何?

 iGamingとは、欧米で広く使われている言葉であり、オンライン上でゲームを提供し、その利用者に対して賭けができるサービスを提供する事業である。要するに、インターネット上のカジノサイトだ。

 日本では、公営ギャンブルを除いて、カジノなどの賭博ビジネスを開催することは禁止されているため、インターネットカジノを本国で運営することはできない。しかし、特定の欧米諸国では、政府などの権威機関管理(MGAなど)のもと承認されたり、運営会社が証券取引所に上場を果たすなど、iGamingがビジネスとして広く受け入れられているのだ。

 なお、成長の背景としては、賭博ならではのエンターテインメント性の高さ以外に、新しさという点が追い風になっているようだ。具体的には、国境を越えたiGamingサービス利用に対する規制など、消費者に対する細部までのルール化が難しいため、国外からの利用者も多く存在している。当分野は、日本を含むアジア諸国、アメリカ諸国でも広く議論されており、今後の動向が注目されている。

新興産業|欧州でのiGaming市場はどれくらいの規模か?の画像2

数字で見る欧州マーケット

 iGamingの概要は簡潔に触れたので、次にiGamingビジネスがどの程度の規模感なのかを紹介していく。ここでは、iGamingが特に盛んである欧州を取り上げる。

 H2ギャンブリング・キャピタル(H2GC)*1によると、ヨーロッパでのiGamingによる収益は、2019年に26.1ビリオンユーロ(約3.5兆円)、2020年に30.5ビリオンユーロ(約4兆円強)、そして2021年に36.4ビリオンユーロ(約5兆円弱)と報告されている。さらに、iGamingによる収益は、伝統的な店舗を伴うランドカジノの収益に年々近づいて行き、2022年にはランドカジノの収益の50%に到達すると、H2GCは予想している。

 数字から読み取れる通り、ヨーロッパ規模という広範囲な括りとは言え、金額が非常に大きな業界と言える上に、年々堅調な成長を遂げている。

 なお、2019年から2020年の収益の内訳を見ると、約80%前後はiGamingが法的に認可されている地域、そして残りは、まだ具体的な規制がない地域からの収益とH2GCは報告しており、いわゆるグレーゾーン地域からの収益もある程度のボリュームを持っていることが伺える。

 さらに、2021年のH2GCのデータに基づくと、ランドカジノとオンラインを含めたトータルのギャンブル市場に対して、オンライン上での賭けの割合が多い国は、スウェーデン(約65%)、デンマーク(約58%)、英国(約58%)、フィンランド(約55%)、ルーマニア(約54%)といった順で並んでいる。ヨーロッパ全体で見ると、収益の規模はそれほど大きくないが、北欧諸国が特にiGamingが活発に行われているようだ。

これからのiGaming

 上記のデータからもわかるように、iGmaming業界は今後も拡大していくと予測できるだろう。

 なお、アメリカン・ゲーミング・アソシエーション(AGA)*2によると、米国ではミシガン、コネチカットやデラウェア州などの複数の州でiGmaingビジネスを合法化して、日本円にして1,000億円を超える税収増に成功しているそうだ。

 このようにiGamingに関する世界の動きを俯瞰すると、iGmamingビジネスに対してどのように向き合うかによって、各地域の財政もおおいに変わってくるのではないだろうか。財政源として注目が集まれば、完全に禁止するのではなく、適度な規制を施行し共存するためのルール化が進むことも考えられる。

 ただし、ギャンブルには中毒性があるなど、リスクが伴うので、短期的な経済効果だけでなく、長期的にみた国民に対するケアが必要となる点にも注意が必要となることは忘れてはならない。

※この記事はPRです。

■参考資料

*1:
https://www.egba.eu/uploads/2021/12/European-Online-Gambling-Key-Figures-2021-Edition.pdf

*2:
https://www.finsmes.com/2022/08/us-states-could-generate-6-35-billion-in-annual-tax-revenue-from-legal-u-s-igaming-report-says.html

最終更新:2022/12/19 15:57
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