『上田と女が吠える夜』etc…“おじさん”はイジってもOKなのはなぜなのか?
#テレビ #上田と女が吠える夜
コンプライアンスへの意識が高まり、不用意な企画や言動は即炎上するようになって、メディア関係者が頭を抱えている昨今――なかでも炎上しがちなのが、ジェンダーバイアスを含んだ表現や内容だ。もちろん、性差別や属性への偏見は言語道断なのだが、「“おじさん”だけが蚊帳の外になっている」と感じているというのは、あるネットニュース編集者だ。
「ここ数年でジェンダー問題に対する理解が社会に醸成されましたが、いまだに“イジってもOK”とみなされているのが“おじさん”ではないでしょうか。
今どき、メディアが『男/女のくせに○○だ』といった性差別や、『若者は○○だ』といった決めつけをすれば即刻炎上すること間違いなしですが、“おじさん”だけはその限りではない、という印象です。たとえば、“おじさん構文”がメディアでも散々ネタにされ、晒し上げられているのなんかはいい例ですよね。もっとも、“おじさん”というキーワードは反響が大きいので、おじさんが“おじさん叩きの企画”を積極的に作っている、というパターンも多いのですが……」(ネットニュース編集者)
テレビのトーク番組でも、“おじさん”は格好のネタにされている。
「この4月から、民放では『上田と女が吠える夜』(日本テレビ系)、『トークィーンズ』(フジテレビ系)、『ドーナツトーク』(TBS系)と、女性によるトーク番組が一挙に3つも始まりましたが、いずれも“おじさん”はネタにされがち。とりわけ『女が吠える夜』は、“強く生きる女性たちの目線で今の時代を紐解く痛快トークバラエティー”と謳っており、女性タレントが男性のことを『~なヤツ』『気持ち悪い』とかなり強い表現で批判したり、偏見を語る場面も見受けられ、ちょっとヒヤッとすることもあります。
もちろんガチで気持ち悪いエピソードもありますし、“おじさん”サイドもこれまでは見逃されがちだった、女性や年下に行使してきた権力性や暴力性については反省するべきとは思います。でも、雑なイジりには密かに傷ついている“おじさん”もいるでしょう。
制作陣も出演者たちも、確固たる信念があるわけでなく、“おじさんなら叩いても大丈夫”、“スタジオが盛り上がっているからOK”と思っているのでしょうが、そのような認識ではいずれ大やけどしかねないと思います」(民放バラエティ番組制作関係者)
もっとも、「たいした問題ではない」という現実的な意見もある。キー局関係者は語る。
「女性タレントによるトーク番組ブームは、田中みな実と弘中絢香の『あざとくて何が悪いの?』(テレビ朝日系)の成功がベースにあると思います。もともと女性はテレビ視聴率が高い上、SNSでの拡散力もあり、購買意欲も強い傾向があるので、スポンサーへのアピール力もある。テレビ離れが進む中、女性をターゲットにした番組を作れば、手っ取り早く数字が稼げると思ったのでしょう。
ただ、“痛し痒し”というか、女性トーク番組は男性の視聴率はほぼゼロ。それなら制作者側は割り切って、女性たちが楽しく見ながらガス抜きできる番組を目指せばいい。そうなると、やっぱり“男性をイジってもOK”という流れになるんですよね。そういった番組に対してクレームがほとんどこないのは、男性が声をあげづらいから……というよりも、ただ単に観ていないからでしょう」(キー局関係者)
しっかり棲み分けができているのなら騒ぎ立てるのはヤボなのか、そういったメディアのわかりやすい二項対立が分断を煽るのか……そろそろ、“おじさん”をめぐる問題にも、指針を示す時期に差し掛かっているのかも。
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