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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 香川照之「オレが謝ってる」の驕り

香川照之「オレが謝ってやってる」の驕りが透けたモヤモヤ謝罪、土下座もナシ

元専務の逮捕はほんの一端…“電通五輪”の闇

 ところで、高橋治之元電通専務は逮捕前、文春の記者にこんなことをいっていたという。

「AOKIは『顧問になって欲しい』と契約書を作ってきたけど、そこには五輪の『五』の字も無い」

「悪いこともしてないし、捜査される話じゃないと思ってる。森(喜朗)さんにも報告したけど、『酷ぇな』って言ってたよ」

「電通は儲けたね。組織委には二百人以上出向させて一年延期になったけど、それでも儲けたね」

 結局、高橋は東京地検特捜部に逮捕されたが、このヤマを特捜部がどこまで本気でやろうとしているのか、やり切れるのかは不透明だ。

 私は、東京地検が参議院選後に高橋逮捕に踏み切ったことに不安を感じている。だが、東京五輪の最大の功労者であり、不透明なカネの流れを知っていたに違いない安倍首相が亡くなったことで、特捜部は重しが外れたとも思う。

 東京地検が高橋一人の贈収賄疑惑にして、森喜朗や自民党議員、電通などの「闇」を衝かないのならば、ほくそ笑むのは彼らたちばかりではなく、電通も同じであろう。

 社会部デスクがいうように、
「高橋の逮捕で、“電通五輪”の闇が炙り出されました。高橋の力を借りた電通も巨額の利益を得ています。高橋が一業種一社を撤廃したことで、東京大会は五輪史上最高額となる約三千七百億円のスポンサー収入が集まった。電通はその手数料収入だけで少なく見積もって三百億円は手にしています。この構造にメスを入れられるかどうか。特捜部の捜査は続きます」

 東京五輪汚職の本丸は電通なのだ。

 医師の近藤誠が亡くなった。享年73。『患者よ、がんと闘うな』(文藝春秋)という本は大きな反響を呼び、医者の間だけではなく、われわれも口角泡を飛ばして、近藤誠説を議論したものである。

 私は政治経済情報の月刊誌『エルネオス』でインタビューした。それを気に入ってくれて、彼の本の中に入れさせてくれと頼まれたことがあった。

 慶応大学病院を辞めて、個人で「セカンドオピニオン」を提供する医院をつくり、多くのがん患者たちに、懇切にアドバイスをしていた。

 私も知り合いに頼まれて、何人か紹介したことがあった。

 この先、がんが見つかったら、セカンドオピニオンを聞きに行こうと考えていた。信頼できる医者がまた一人いなくなってしまった。

 医療が混迷する今こそ、必要な人だった。残念である。

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