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ダウンタウン浜田のモノマネを…貴乃花の独擅場『ドキュメンタル11』の成功と失敗

香取慎吾の“らしさ”が裏目に出ていた

 続いて香取さんだが、香取さんはSMAP時代の実績から、視聴者だけでなく出演者からのハードルが高くなっていたのは間違いない。そのせいで香取さんが何か笑いを取りに行っても、上がり切ったハードルを越えることは無かった。

 さらにもうひとつ。これはあくまでも憶測だが、香取さんは自分への傲りがあったのではないだろうか。そう思う理由として、香取さんが用意した笑いが全く無かった。もしかしたらカットされているだけかもしれないが、見る限り終始受け身で、その場のアドリブでなんとかしようとしているように見えた。視聴者のハードルと本人の慢心こそが、力が発揮できずほとんど目立つことが出来なかった理由ではないだろうか。経験と実力があるだけに勿体ない。

 続いて上地さん。上地さんは、自己発信型の笑いを起こせる人間では無い気がする。もちろん天然の部分や、今までバラエティで揉まれてきた実績もあるので、ある程度笑わせる為のルールや方程式はわかってはいると思うが、ツッコミがいて成立する笑いのパターンが主であることは間違いない。

 ツッコミがいないと、上地さん自身がツッコミ側に回る傾向にあり、笑いを起こすボケ合戦となると戦い方が難しくなる。さらに上地さんは楽しんで笑いながらツッコミをするというのが基本パターンなので、今回のように笑ってはいけない場面では、冷めたようなツッコミになってしまいテンションが上がっていなかった。

 これは香取さんにも言えるのだが、2人ともテンションを上げないとエンジンがかからないタイプなので、無理やりにでも自身でテンションをあげる方法があればもっと違った展開を見せられたかもしれない。その証拠にオブサーバーの後藤さんや藤本さんが出来ていたときのお二人はテンションがあがり、いつもの調子に戻ったように感じた。香取さん同様、力が発揮できる環境になかったのは本当に残念だ。

 続いては高橋克典さん。高橋さんは以前イケメンタルに出演した経験があるので、アドバンテージがあるように思えたが、笑いの質がこじんまりとしているものが多かった気がする。

 さらに目薬を異常に点したり、顔に落書きをするというのは比較的イージーな笑いで「“カッコイイ男”がそれをやっている」というところまで頭が回らないと笑いになりづらい。ターゲットが芸人のように頭の中で勝手に、ツッコミを入れるような人間であれば笑わせることは出来たかもしれないが、ターゲットにしたのが貴乃花さんだった為、そこまで爆発力を生むことが出来ず上手く笑わせることが出来ていなかった。

 ただ、高橋さんの渋い出で立ちは、使いようによっては芸人以上の笑いを作ることが出来る。例えばあそこまで派手に落書きせずにちょび髭程度にし、貴乃花さんが使っていた額縁から上裸で出てきたら、もっと高橋さんの良さを引き出せたのではないだろうか。

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