『耳をすませば』をジブリ作品ベスト1にするファンが”一番めんどくさい”理由
#ジブリ #金曜ロードショー #しばりやトーマス #金ロー
『金曜ロードショー』(日本テレビ系)の3週連続スタジオジブリ祭りのラストを飾るのは、ジブリが誇る天才アニメーターにして宮崎駿、高畑勲、両巨匠の作品を支え続けた近藤喜文の最初にして最後の監督作品となった『耳をすませば』です。
『天空の城ラピュタ』宮崎駿がノベライズ版で示した“権力者の隠蔽体質”
今週からの金曜ロードショーは、夏休み恒例のスタジオジブリ特集。その第一弾を飾るのは『天空の城ラピュタ』。知らぬものとてない国民的アニメ監督・宮崎駿の代表作のひとつだ(...柊あおいの原作漫画の映像化(ストーリーは原作とアニメで一部の設定、細部が異なる)で、中学三年生の登場人物らが進路、それまで意識もしていなかった恋の問題という思春期ならではの悩みにぶつかる様子はそれまでのジブリ作品にはなかったテイストがあり、評価が高い作品だ。
日本では毎日どこかで「スタジオジブリの作品ベスト1はなにか?」論争が行われていますが、人はジブリ作品で何をベスト1にするか? で色んな傾向が見えてくるもの。
例えば『もののけ姫』を選ぶ人は王道の冒険活劇物が好きなのかなと思うし、『天空の城ラピュタ』派はさらに少年の心を忘れない童心の少年少女かなと感じるし、女性層に圧倒的な支持を受けているのは『魔女の宅急便』、その女性層でも『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』を推してるのは、熱心な神木隆之介ファンかも知れない、とか。
ジブリというといつも、宮崎駿ばかりが持て囃されることに対抗して高畑勲派閥も存在しており、彼らは『おもひでぽろぽろ』『平成狸合戦ぽんぽこ』こそが至高と信じており、その高畑派内でも『ホーホケキョ となりの山田くん』『かぐや姫の物語』の作画クオリティの高さを評価する向きは、他の派閥よりもカルトな勢力を誇っており、さらには『紅の豚』こそが最高の主人公なんだ! と主張するオタクも!
さらには厳密にはジブリ作品じゃないのに、『ナウシカ』『カリオストロ』の話をし始めるオタクは大抵、嫌がられるんですけどね。
このようにジブリ作品への感想ひとつとってもさまざまな意見があるのですが(以上は筆者と知人の意見を参考にした個人的なものにつきクレームはご勘弁)、その中でも
「『耳をすませば』こそがジブリ最高傑作」
と主張する勢力がもっとも、強固にしてややこしい人たちといえます(これも個人の感想です)。
読書が趣味の中学三年生の女子、月島雫は図書館で借りる本の読書カードに必ず「天沢聖司」という名前が書かれていることから、名前しか知らない「天沢聖司」への思いが膨らんでいく。親友の原田夕子から“好きでもない男子からラブレターをもらって、どうしていいのかわからない」という相談を受ける雫。実は夕子はクラスメイトで野球部員の杉村が好きだと聞かされる。男女の恋愛について適切なアドバイスができない雫は、言葉に詰まる。
図書館で借りた本をベンチに忘れた雫が取りに戻ると、見知らぬ男子がその本を読んでいた。本には雫が和訳した「カントリーロード」と替え歌の「コンクリートロード」の歌詞を挟んでいたが、見知らぬ男子から「コンクリートロードはないんじゃない?」と小馬鹿にされたようなことを言われ、「やなヤツ!」と怒りながら帰宅する。雫にとって男子とは「やなヤツ」でしかなく、逆に想像の中の「天沢聖司」への思いが増していく。雫にとって恋愛は想像の世界にしかない。
休日に図書館へ行こうとした雫は、電車の中で見つけた太った猫を追って町へ迷い込み、アンティークショップ「地球屋」にたどり着く。不思議な猫の人形“バロン”やからくり時計に魅せられ店主の老人、西司朗と仲良くなる。その後、図書館に勤める父親に弁当を渡しに行こうとするが、肝心の弁当を地球屋に忘れてしまう。ところがそれを届けに来たのはなぜか、コンクリートロードをバカにした男子だった!
後日、夕子から電話がかかってくる。想い人の杉村が、ラブレターを渡した男子から「返事を聞くように頼まれた」と言ってきたことにショックを受けていた。夕子は翌日学校を休んでしまう。杉村は「自分は友達に頼まれたから聞いただけだ」といい、あまりの鈍感さに雫は夕子は杉村が好きなのにわからないのかと責めるが、真相を聞かされた杉村は狼狽し、問い詰められた末に、自分は雫のことが好きなのだと告げる。
単なる友達だと思っていた杉村の本心を聞かされた雫は、自分の方が鈍感だったことを思い知らされる……。
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